2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

嫉妬

祐介は毎晩送られてくるラインの嵐に 最初は戸惑ったが 返事は必ずした 祐介はこの所、ショウやタケオと海外を飛び回っていて 本社のことは疎かった パーティーも久しぶりだったし みぃはほんの気晴らしに、あのパーティーに出たのだが 祐介にしたらお得意様…

逃亡

「新田のおばさん 叔父さんには本当にお世話になって ごめんなさい とても助かりました」 私は首を振った 巴さんこそ、大変だったね 小夜さんはシカオのことしか頭になかったからね~ 巴さんの苦労は知っていても 小夜さんの性格が、あれなもんで 村の者は誰…

嫉妬

小夜はいかにも何でも知っている風な優美 恋だって愛だって、なんでもうまくやる みたいに振る舞っていたが もしかしたら、まだ、処女かもしれないと疑っていた それならば祐介を前にして 本物の恋に落ちたのかもしれない みぃは優美を見た時に、一番先に気…

逃亡

まず、かずさんが 「巴ちゃんのお母さんなのね 御心配だったでしょう でも、私は巴ちゃんと暮らせて、本当に楽しかったんですよ もうすぐ出ていくって考えたら 寂しいんだけど、仕方がないわね」 え?私はその言葉にもうすぐ、出ていくっていうのは どういう…

嫉妬

え?小夜は耳を疑った 「どうしたの?本当に好きになっちゃったの?」 優美のこんな様子は初めて見る 幼稚園から一緒なのだ 小夜は優実をよく知っている 気位が高くて、傲慢 でも努力もする いつも一番じゃなきゃ気が済まない だから、どんな時でも一生懸命 …

逃亡

玄関を開けると、そこに二人が立っていた かずさんと巴さんだ 久しぶりのかずさんは年は取っていたが 優しそうなたたずまいは変わらず 巴さんは少しふっくらして、美しくなっていた 外の騒ぎが聞こえたのだろう 二人は私とシズカを見て、すぐに悟ったようだ …

嫉妬

祐介は一気に優良企業のトップに座りたかった だから、そのための結婚をしたのだ 優美はそれならば、自分が彼の恋人になれる ただ、離婚まではしないかもしれない 離婚は女社長であるみぃが激怒のあまり別れてくれないと 無理かもしれない そんなことを小夜…

逃亡

門の前でちょっと、様子を伺っていると 反対側の道から、買い物袋をぶら下げた 夫が歩いてくるのに気が付いた 爺さんにしては背が高いし、相変わらず痩せている チェックのシャツにズボン 田舎にいたころと全く変わっていない 私を見ると、手を振りながら 「…

嫉妬

祐介と一緒に暮らしてみて 祐介の好きなことをたくさん知って来た 朝はミルクのたくさん入ったカフェオレが好きで それも砂糖多め 卵が好きでウィンナーが好き クリームたっぷりのケーキ、シュークリーム とにかく味覚は子供 世間が美味しいというものが好き…

逃亡

「お金があるんなら せめて、その服何とかしなよ」 巴ちゃんの高校時代の赤いジャージの上下 その上に多分、旦那のであろうジャンパーを羽織り 靴はその息子だった男の子のスニーカーじゃないか 髪の毛は伸ばし放題、半分は白髪 白髪なのは良いとしても、一…

嫉妬

康太やミキの気持ちが初めてわかった 康太の嫁の小百合さん 兄は前の結婚も、たしか、回りからケチを付けられるような そんな家の人ではなかったし 小百合さんなんか、もし優実みたいなタイプが ケチをつけたがったとしても 家柄としては、何の問題もないだ…

逃亡

「へへへ! 嫁に来てから一度も自分のお金ってやつを持ったことがなくてさ やっと、たくさんのお金を自由にできると思うと もったいなくてね~ あんた、出しとくれよ~」 それはそうなんだろう 私もその気持ちは分かった 村の嫁さんたち農作業が暇になると …

嫉妬

優実はその男を見返したいと言う気持ちもあっただろう その日に名刺交換した みぃはこの優美って女の子は 祐介にものすごいメール攻撃をしているんじゃなかろうか? でも、祐介はそんな話は全くしない ああ、そんな疑いをかけることこそ 嫉妬しているようで…

逃亡

すると、本当にうれしそうに笑った 「爺さんと婆さんにはものすごくいじめられたけれど 天罰だよね~爺さん癌であっという間に逝っちゃったし 婆さんはその後、ボケちゃってさ 私が草刈りに行ってる間に、勝手に徘徊して 川に落ちて死んだのさ 婆さんなんか…

嫉妬

小夜は呆れながらも 側で二人を見て見ると 確かに祐介の立ち姿、そして、その顔 優実がものにしたいと思うのも仕方がないかもしれない 優実がものすごく家柄だの学歴だのを大事にするのはわかっている 優実の家は代々、慶応大学が創立された時からの慶応出身…

逃亡

新幹線が九州に近づいてくるにつれて 段々、私は不安になって来て 本当に巴さんに会わせていいものか ショウの言葉がよみがえる それでも、私たちは博多に着き 二人で九州に降り立った 「あんたを追いかけて東京に行った以外 長旅ってしたことなかったんだよ…

嫉妬

優実は小夜の腕を取ると まっすぐにみぃと祐介ののところに来た みぃはその時に、すぐに気が付いた この二人の女、祐介を狙っている 特に髪の長いほう 髪が長い優実は おばさんにはこんなに美しいまっすぐな髪は 無理だろうと言うように 髪の毛を手で捌くと …

逃亡

結婚した相手先のバカな親や周りの親戚 誰もが長い間みんなそう言ったりそうしているから それでいいし、正しいんだ なんて本質を見つめずに生きていき 人を傷つける 私はシズカが楽しそうに話をする金治のことを 聞くのがつらくなった 「あんたも大変だった…

嫉妬

そんな中で、その話を聞いていた優実 祐介の顔やスタイルに目を奪われ その学歴に目がくらみ そんな素敵な人がなぜ、あの結婚相手? みぃがどんなに素敵だと言ったって、おばさんには違いない 社長って言ったって、今、優実が勤めている大企業ではない 優実…

逃亡

シズカもかわいそうな人だ 私は長いこと生きてきて、孫も生まれて 今はショウと暮らしているのだが 世の中で言う、老人を敬うとか両親を大切にとか 姉妹仲良く、家族は一致団結 そんなことは、立派な人たちの家のことだ 一人一人が相手のことを考えない家族 …

嫉妬

結婚する前にバカほど考えたことだった 年下のイケメン、どこにでも転がっている話 みぃはその覚悟はできていた ここ数年はよかった 祐介は本気でみぃに恋していたから 二人はどんなに離れていようが 何日、連絡が途切れようが 祐介のほうが慌てて、飛んでき…

逃亡

「巴は本当にいい子で 学校の勉強もできたし、顔だって、可愛かっただろう? でも、弟の金治は小さいころは可愛かったのに だんだん、じいちゃんに似て人を叩いたり、殴ったり 中学の時は悪い仲間とつるんで、バイクを盗んだり ロクな子じゃないから、みんな…

嫉妬

「雅紀君はきっと、掃除に関して 一生懸命になれる子なのね 章子ちゃんは将来、雅紀君を養うって 頑張って勉強してるけれど もしかしたら、そんなこと必要ないかもしれないのね」 「ああ、今でも高卒、あ、中卒か そんなの関係ないくらいいい給料もらってる…

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「みんな一緒だと思うけど 姑は殺したいと思うくらい意地悪でね 一度逃げて帰ったんだけど 母親はみんなそうだからってすぐに 追い返されたよ 旦那は自分から私がいいと言ったくせに 消防団の旅行で行った時に知り合った女とできちゃって それも、我慢ならず…

嫉妬

いつでも幸せそうなみぃ ちょっと、様子が変だな 康太おじさんが別居を始めた経緯はわかっていた あれは仕方がないことだと思う 小百合さんには小百合さんの理想の子育てがあり 康太おじさんや章子の気持ちは理解できないだろう 雅紀君とのことは 将来、章子…

逃亡

シズカさんは自分のことを話したくてたまらないように 話し始めた 今まで、そんなことを聞いてくれた人は一人もいなかった そんな感じで 「小夜子さんちから二軒先が私の家でね 6人兄弟の5番目 一番上の兄さんは、一生懸命勉強して県の仕事に就いたんだ 私も…

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飛び出して行った小百合を康太と章子は追わなかった しかし、康太は 「まぁ、もう少し落ち着いたら パパが迎えに行くから 気にしないで、君は勉強に頑張りなさい 雅紀君とのことは、大変なのはこういうことではないよ これは君たちの問題とかじゃなくて ママ…

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「シズカさん、探しに行こうじゃないか? ショウ、明日からしっかり留守番をたのむよ」 そう言って東京を出た シズカって人は、落ち着きがなく やたらめったら何でも買いたがった そして、たいがい『ちょっと、出しといて!』 と、私に出させる この人は病ん…

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章子は小学校高学年ぐらいから 小百合に対して何となく 物事の神髄を見ようとしない 一番大事なことが何かが もしかしたら言葉では言うが本当には わかっていないんじゃないだろうか でも、母だから、そして、父にも遠慮して そんなことは口には出さなかった…

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福岡のかずちゃんには 私は口にも顔にも出さなかったが 少し嫉妬していた 結婚した当時、かずちゃんはうちに遊びに来ることはなかったが 夫が遊びに行くと、なかなか帰してくれなかった いや、夫も何時間でもかずちゃんと話していた 私たちが結婚した3年後く…