2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

恋をしたとき

「彼の名前は?」 「本庄雅紀、普通でしょ?! ヤンキーっていうの?ああいう家ではないの もちろん、片親とかでもなければ、お父さんの仕事も 区役所、職員だし、お母さんは専業主婦 家は東久留米だし どこにもあんなことをするような要素はないの」 タケオ…

逃亡

「ショウは?」 チェリーがショウの荷物が無くなっているのに気が付く チェリーはショウの賢いまっすぐなところに やっと、最近気が付いた 拓の化けの皮をはいだ姿に幻滅している このままショウと結婚して生まれてくる子供を 一緒に育てたいと思っていたの…

恋をしたとき

小百合もそうではないだろうか? あの立派な家柄、もちろん、康太のことは 誰かが調べたに決まっている 康太の出身地。小汚い東京の下町 祖父は医者の家柄ではあったが、本人はやくざな 人生を送っている 母はあの近所で調べれば、母の男好き めったに家に寄…

逃亡

私は田舎にいた時には 子供の教育費なんか塾代でも出せば十分だと思っていた 息子はその塾代すら出していない 普通に学校に通っていて、真面目にしていれば 息子くらいにはなるものだと思っていた 大学は奨学金で行ってくれたし、大手の商社に就職したから …

恋をしたとき

速水はこんな目にあっても章子は まだ、彼に恋をしているのだろうと思うと この頃の自分を思い出した 性依存症であったからみぃの会社で 性アイドルとしてバリバリに売れていた頃だ 今もみぃの会社が優良企業であり続けているのは その時の速水の稼ぎだと言…

逃亡

ショウは困ったように 「だって、ばあちゃんとは会ってまだ数か月なのに そんなに、俺のこと信じて大丈夫? それに、俺はその気持ちに答えられるとも言えないし 今まで、ばあちゃんみたいな人にもたくさんあったよ こんなにお金を託してく入れる人は初めてだ…

恋をしたとき

しばらく、ごたごたとして、やっとすべてが落ち着いたころ 章子がたこ焼きを食べにやって来た かなり落ち込んではいたが、すっきりした顔をしている 「あれから、ママね、速水おばさんのところに行くのを 嫌って思わなくなったみたい だって、あの時に車を出…

逃亡

そうと決まれば、ショウがここにいる必要はなくなる 「そう言えば、今までどこに住んでいたんだい?」 「知り合いになる人のところに、次々に転がり込んでいたんだ だって、まとまったお金もなければ 保証人になってくれる人もいないしね だから、調理師免許…

恋をしたとき

ただ、甘えて生きているだけで 困ることは学校の成績が下がることくらい それも、小百合が塾を探してきて 週に2回は通うことにしている 学校の成績は中の上くらいだから 何の問題もない 康太は我が娘が可愛かった でも、このままでいいのだろうか?とは 何度…

逃亡

ショウはもちろん、私の気持ちに気が付いていた 「拓とチェリーは結婚させたらいいんじゃない? そしたら、あっちの部屋に二人を置いとけば いいし、生まれてくる子供のためにも それが一番だよ あの二人はこれから心配だけど 祖母ちゃんがいてくれるんなら…

恋をしたとき

「ダメだ!岡本はプロの美人局だし 最近は女子高生を売ることにもかかわっている 組織の一員だ その高校生はその組織の末端の可能性がある以上 絶対に警察に通報しないと また、同じような事件が起こる」 すると、章子よりも小百合が泣き止んで発狂した 「あ…

逃亡

拓とチェリーだ ここで一緒に暮らすとなると困ったことは一つ 二人ともここに来る前にはチェリーと寝ていたということだ この歳になると性の健全性なんかバカバカしいことは よくわかっている テレビでは俳優の不倫を鬼の首でも取ったように、大喜びして、そ…

恋をしたとき

康太がすぐに警察に電話しようとすると 章子が叫んだ 「お願い!それだけはやめて! 私が勝手に彼について行ったの」 話を聞くと、ホテルに誘われて二日一緒に過ごした 彼が別の部屋で電話をしているのを こっそり聞いていると 『いいカモを捕まえた すぐに…

逃亡

それでも、あんなにかわいがってくれたのだ 兄もそうだ 小さいころから、一緒遊んでくれたりしたし 高校のころには友人を連れてきて その友人がチェリーの制服に気が付くと ちょっと自慢げだった あの学校のお嬢様度は進学校の男の子にも すごく人気があった…

恋をしたとき

速水には大いに覚えがあった すぐに 「ラインしてみます」 小百合がにらみつける前でラインをした すぐに返事どころか 電話がかかって来た 「速水おばさん、助けて!」 「今、どこにいるの?」 小百合とそのまま車を飛ばして、監禁?されていたホテルに 飛ん…

逃亡

チェリーは母親と兄がすぐに、ここを教えるだろうか? いや、絶対にそんなことはない ママは中学まで、可愛い服を買ってくれたり 一緒にバレンタインのチョコレートを作ったり 成績が悪くなると、有名な家庭教師も雇ってくれた 同じ学校のお友達やママたちと…

恋をしたとき

「康太おじさんは? なんて言ってるの?警察には?」 小百合は少し動揺して 「そう言うことじゃないの」 最近、章子の帰りが遅かったこと 問い詰めたら、付き合っている男の子がいると言う どんな子か聞いたら K学園だと言う そんな高校全く知らない 検索し…

逃亡

それを聞くと拓は少しうれしそうに 「ここが万が一ばれるとしたら チェリーの両親のところからだな チェリー、あの頃、ファンレターとか 俺が組に持たされていたスマホのラインに 会いたい!とか言ってきただろう? あいつらに、あれを調べられたらチェリー…

恋をしたとき

速水は小百合と誰かのいない場所で 二人きりで会うことは避けてきた あまりにも違う人間性もあるが それよりも何よりも、もし、速水の本当の過去を 知ったら、絶対に、私とは顔を合わすのも嫌だろうし 大事な娘の章子が速水に会うことなど許すはずもない 「…

逃亡

ショウはしっかり者だ 私もそこは押さえておきたかった 「ああ、それは大丈夫! チェリー経由では、絶対にここはわからないと思う」 私はチェリーに 「あんたが妊娠していることがわかって 誰の子供かとか聞かれなかったのかい?」 「ママとお兄ちゃんは、そ…

恋をしたとき

それから一か月 速水は実際は高校生活などしたことがなかった 星人だって、まともな進学をしたわけではなかったから 日本の今の高校生の実態など全く知らなかったのだ 章子のかわいい初恋に ほほえましく思っていただけだ 小百合の気持ちもわからなくはない…

逃亡

「げっ!だっせ~!」 鏡を見ながら拓が小声でつぶやくと 拓の本当の姿を知ったチェリーが 「何言ってるのよ! 本当はブタで人殺しで、けんかも弱っちい ダメ男のくせに!」 こうして、整形前の正体を知り ショウが思った以上に賢くて頼りになることに気が付…

恋をする時

速水は章子に危険なことなど一つもないと思ったが 小百合ならば心配で仕方がないだろう 「うちの学校の真面目な人ならば絶対に選ばないタイプ あそこの高校から大学にはほとんど行かないの でも、素敵なのよ 毎日、横顔を見るのが楽しみなの 今日は帰りの電…

逃亡

拓が犯人でないことを確認すると 部屋に帰った ショウは生真面目にチェリーの側にいる 拓は私のベッドに寝ている 「こら!どこで寝てるんだよ! 拓はまず、変装だね ショウ、ちょっと普通の真面目な大学生の服を 調達して来ておくれ 拓、あんたは風呂に入っ…

逃亡

そんなことを考えながら血だまりを見た これは拓の言うことが本当ならば 拓が殺したわけではなさそうだ 刃物で殺された跡だ 「ちょっと、おばあちゃん! ここはいっちゃだめだよ~」 いきなり、どっかに行っていたお巡りさんだ 「ここは私の家ですよ! お爺…

恋をする時

「制服はね、たぶん、K学院なんだけど」 速水はK学院は全く知らない 「いいんじゃない! 私の持論なんだけど、好きだったらさっさと告る くよくよしている時間は無駄よ フラれたら、違う人を見つける! で、いいと思うんだけど」 章子は嬉しそうに 「それ…

逃亡

その場所はもう、随分前に店を閉めたであろう 汚いスナックのような場所だった 店に飾ってあった生の花が、黒いすすのようにしぼんで 店の片隅を飾っている 黄色い進入禁止のテープは張られていたが 立ち番の警察はいなかった 汚くて汚れている、古い椅子や…

恋をする時

速水は心の中でにっこりした そう言う事か、あんなに優しくて真っすぐな 小百合に反抗するには まぁ、そう言うことがあるのが妥当だろう でも、章子の前では真面目な顔をしていた こういうことは、絶対に茶化してはいけないのだ 「そう、どんな人?」 すると…

逃亡

「出すよ!出すから、警察は勘弁して!」 拓をここに置くとして、チェリーと二人きりにすると ロクなことにならない 「ショウ!ここに越してきなよ 部屋代、助かるだろう? そして、仕事に行く以外はこの二人を見張るんだよ 二人っきりにしておくと、ろくな…

恋をする時

章子はわけがわかったような わからないような顔をする 「そこに、結局、小学校からってことは 莫大なお金や親の名誉とか地位がかかわってくるから そういうつまらない理由で 差別する人たちもいるし そう言うことに無駄に卑下している人たちもいる 章子ちゃ…