その先

長い話になったが

その健二さんが病気で亡くなり

奥さんとはとっくに離婚していて

その私と同級生くらいの

男の子、充くんは

そのお婆さんのところに引き取られたのだ


父や母、いや、村の誰もが

あの婆さんに育てられるとは

可哀想な子だと心で思っていた


充くんが初めて来た日

村の子供たちは、なんとなく気になって

その家の周りにいた

お婆さんが東京から孫が来ると

触れ回っていたからだ

それも私立の立派な小学校に

通っていたから、こんな村の小学校では物足りないが仕方がないみたいな自慢まで吹聴していたから

みんな、興味深々だった