その先

その教師は休み時間に

お気に入りの女の子を呼ぶと

膝に乗せたり、お尻を触ったり

胸を触ったりする

私たちにとっては日常の光景で

教師に楯突いてはいけないことは

嫌ほど言われていたので

いいことではなかろう

くらいのことは思っていたが

それを誰かに言ったりはしなかった


そんな暗黙の了解の中

充くんがそれを見て

私に


「あれ、あんなことしてもいいの?」


私にあえて言ったのは

他の女子は、担任のそばに行って

触られたりするのを

別段嫌がっていなかったし

佳苗なんかは自分から膝に座っていた

そんな中で、私だけがそばに寄らないよう

注意していたからだろう