2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

発達障害の母

忙しいと言いながら電話を切る それが何年も続いていたから 母親に興味のない娘は 何が忙しいかとも聞かずに そんなものなんだろうと思っていた しかし、こうして一緒に暮らしてみると 忙しいことなど何もない 朝、一番に近所を歩いてきた後に 洋服を着替え…

.....の無い

「ここ、まず、入るのんが大事やで あんたの名前で開けてくれるんやったら ええけどな」 確かにそうだ 心配しながら部屋番号を押してみると ミキの名前を出したのに すぐに上がってくるようにドアが開いた でも、男の声だった 部屋に入るとみぃが飛びついて…

発達障害の母

夫の義母の介護をする前に いろいろと介護の勉強をした 90過ぎていても台所に立つ仕事ができるようで 本人がやる気があるようならば できるだけやらせてあげて 手を出さないようにするほうが良い そう聞いていたから、そうしたし ここに帰ってからも母に台…

.....の無い

風花と一緒にその住所を訪ねた 「うち、東京、離れて長いんやけど この住所は、なんやすごいとこちゃう? 娘が芸能人にあこがれて、ここに住みたいって なんや、ジャニーズの嵐の誰かが住んでるとか住んでないとか たしか、そこだよね」 ミキが一番最初に不…

発達障害の母

ものすごくポジティブだし 頑張る!というのが座右の銘のような人だ でも、うれしいと思うのはここまでだ 老人が健康を意識して、毎日を明るく生きていくために 意図して頑張る! 母のそれは、そういうものじゃない と、すぐさま気づく 朝起きてからすぐ、じ…

.....の無い

「ちょっと、ミキ、写真持ってるんやろ? 妹の写真! それ見せて確認してもらえばいいんちゃう?」 みぃの写真はあっても、ほんの子供の頃だ 渋る、おっさんを前に二人で困ってると 風花がさっきからスケベな目で 自分の胸元を見てるこの不動産やのおやじに …

発達障害の母

痴呆症だとか老人特融のボケ そんなものではないと確信して いっそう、落ち込んだ知的レベルが低い そして、少し変わった行動をする 集中して物事に取りくめない ここに帰ってくる前にかなり調べて 自分なりの覚悟もできていた その覚悟を持って臨もう そう…

.....の無い

「それなら、ちょっと、待って ここに入る保証人になってもらうとき 正ちゃんが書いてくれた住所は あたしには全く知らない住所だったから そこかもよ」 そう、言って渡されたその住所に 風花と一緒に行ってみた そこは、もう、転売されていたが それを仲介…

発達障害の母

それでも、これまで生きてきたのだから その、生きるノウハウは十分持っている たくましさは感心する 私がこの町に久しぶりに帰ってきて ご近所の人や親せきの人間に 「母がいつもお世話になってありがとうございます」 そういったとき、顔には出さないよう…

.....の無い

正司が自分に好意を持ってくれているのは なんとなくわかっていた そして、そのことがあったから 正司はもともと、商品である女の子に手は付けないが みぃには絶対手を出さないだろうと 信じていたのだ 「妹なの」 二人のこの世界の長さや 人付き合いの良さ…

発達障害の母

なんだか泣けてくる今まで自分の生まれが犯罪者がいないギリギリの貧乏な生まれだと納得していただからこそ、必死で生きて来たつもりだった子供たちにも誰にも後ろ指を指されないようにそんな生き方ができる基礎を作って来たつもりだった生まれた町に年老い…

.....の無い

関西ではあれは絶対CGじゃ無いって 噂だったんだけど やっぱり、正司さんの仕事だったんだ さすがだね そやけどミキ、なんで? その子ってなんか気になんの?」 するとアンが 「そう言えば、ゼルダってあんたに似てるわ パソコンかなんかで作ったんやったら …

発達障害の母

もちろん、夫婦で子育ても終えて それからの楽しみのために 家を新しくしたりリフォームしたり 自分たちの趣味に投資するなんて使い方を 否定するつもりはない ただ、母の場合は本人が趣味などなく センスの低さに泣きそうになるのだが 近所、親戚への見栄だ…

.....の無い

「その、正司さんが面倒見てた 最後の女の子、どうしたか知らない」 ミキのその言葉に アンは 「あの、有名なえっと~なんだったっけ? ネット少女ZLちゃん、通称ゼルダとかいう子 流石に正ちゃんやわ~ あたしには全くわかんないだけど その筋の人たちの中…

発達障害の母

父が亡くなった時母は60くらい保険金でも、降りたのだろう大きな家に住みたかったのは理解できるが将来に子供達が帰って来て住むわけでもなくまったく、本人が欲しがる以外には必要性のないものを「建てたかったから!だって、大金が入って来たんだもの」そ…

.....の無い

アンさんは元気で楽しそうで 周りに爺さんを従えて 嬉しそうにしていた 「翔子ちゃん、元気そうだね~ 風花、あれ、買って来てくれたかい?」 「はいはい、CHANELの真っ赤な口紅 こうてきたで、もう、いい加減に ババァなんだから、ケバいのは 考えなあかん…

発達障害の母

朝、5時半に起きると母のベッドはからだった母が起き出したことに全く気がつかなかった自己権をに落ちながら無駄に広い家の中を探すこの家は私が生まれた家ではあるが私が生まれて16歳まで生活した場所はこの家のごく一部でその狭い空間で家族四人が今ならパ…

.....の無い

風花はこの世界長いし 気楽に人付き合いをするので この業界の顔は広い 「関西に流れてきた花江が 言うてたから、こっち来て すぐに訪ねていってみたんや どうしようもないオバハンやったけど うち、一回お金貸してもろうたことあってん 子供生まれたばかり…

発達障害の母

私は吉川さんに相談するときに心の奥底で、『それは違うんじゃない!』そういう明確な意見が聞けることを期待したのだが母の話を細かく話すとその言葉は出てこなかった専門家に診てもらい相談に乗ってもらうことを勧められたが、発達障害は置いといても田舎…

....の無い

「ちょっと、落ち着きいな! どないしたん? あんた正司さんに惚れてたん?」 風花はそこにしか頭は行かない構造に なっているのだ それを無視して 「正司さんは 他にマンションを持ってたはずなのよ そこに住んでいた女の子を探したいの」 「そやったら、正…

発達障害の母

そう、老化特有の症状がどういうものか十分すぎるくらいわかっていただからこそ、不安だしイラついてもくるしそして、何より自分のいままでの生き方を全面的に否定されているかのようないままで自分がやってきたことが全て虚しい努力であったと思い知らされ…

.....の無い

風花が訪ねてきたのを 迷惑がっている場合ではなかった みぃがどうなったのか すぐに飛んでいく 風花は驚いて 「どないしたん? 正司さんの死んだんは悲しいけど まぁ、しゃないんちゃう? よくあるっちゃよくあることやん」 そう言いながらミキについてきた…

発達障害の母

「ん?16の頃から親と話とかしてなかったの?」「吉川さんのところの両親と同じように考えちゃダメだようちの親なんか子供に適切なアドバイスができるようなしろものじゃないからね」学生時代なら絶対に話せなかった自分のコンプレックス今だから躊躇なく言…

.....の無い

「え?」 「うん、シャブ中の男に撃たれたって!」 店で働いている女の子の中には シャブ中の子もいる その子たちには大概、男が付いている その男が店に暴れ込んで 女の子たちを助けようとした 正司を撃って逃げたそうだ ミキは慌てた 正司の死は、もちろん…

発達障害の母

「93で亡くなったからお宅のお母様よりは随分、上よその義母とずっと一緒に過ごしていたからうちの母が老化のせいで、ああなったんじゃ無いっていうのはよくわかっているのよ老化ならばどんなに嬉しいか....」吉川さんは少し困ったように言葉を続けなくなっ…

.....の無い

「娘さんは?仕事に関して 何も言わないの?」 「芸能事務所の寮に入るから 一緒には住まないし 母親が何をやってるかなんて 三歳の時から知ってるよ それよか、どっか、いいとこ知らない? あそこ、ほとんど二十歳前後ばっかり もちろん、本当の年齢はちゃ…

発達障害の母

それならばどんなにいいか年をとってボケたり物忘れがひどくなったり何かに固執して頑固になったりそれはよく知っている父は五十代の時に病気で亡くなっていたし夫の父親も早くに亡くなっている「それがね、ついこのあいだまで私、主人の母の介護をしていた…

....の無い

「あんなぁ、娘がアイドルになりたいとか 言い始めて、 アイドルのオーディション受けたんやけど それが上手いこと言って 大阪ではちょっと、有名なグループに 入ってってん でも、何年たっても下っ端やから 本人も嫌になって 東京でてちゃんと女優めざした…

発達障害の母

日常生活が快適とは言えなかったが普通の日常生活は送れていたから小学校に上がる頃には母親には全く興味がなくなっていた「小学校に上がったら自分のやりたいことに夢中で母親がどうだとか考えてもみなかったわ片付けろ!とか手伝え!とか怒鳴っていたのは…

.....の無い

でも、みつほはグイグイと構わず押して来た 沢村教授と姉にそんな恋愛は無理だろう そう、思うと二人はそっとしておきたいと 思う方が強かった それに今は母親がいないが どうせすぐに帰ってくるに決まっている 二人はあの母親を面倒見なければならない その…