.....の無い

「それなら、ちょっと、待って
ここに入る保証人になってもらうとき
正ちゃんが書いてくれた住所は
あたしには全く知らない住所だったから
そこかもよ」

そう、言って渡されたその住所に
風花と一緒に行ってみた
そこは、もう、転売されていたが
それを仲介した不動産屋が

「それがなぁ、若いかわいらしい女の子でさ
二十歳過ぎていたのかもしれないけど
見る限りは女子高生って言ってもいいくらい
最近は女の子は全く分かんないからなぁ
この間行ったキャバクラですっかり気に入った子が
40過ぎてるって知って仰天したから
若見えする女だったのかもしれないけれどなぁ」

「おっちゃん、40過ぎのおばちゃんくらい
見抜かなお金搾り取られるだけや」

風花が面白がってしゃべり始めるのを
割って入って

「それで、その女の子がすべて売って行ったんですか?」

「うん、その子の名義だったしね
しっかりしてた子だったよ」

「それで、その女の子の名前は?」

「そんなこと、教えられないよ」