2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

星のような

沢田はそんなミキの迷いは痛いほどわかっていた 結婚していらい、二人でミキの結婚するまでの話はしなかった そして、速水がネット風俗の嬢王となってからも そんなことを深く話し合ったことはなかった もちろん、沢田はそんなことをひとかけらも 爪の先ほど…

発達障害の母

その楽しい夢も、ひどい夫婦喧嘩の後で終わった 次の朝起きると、二人は何事もなかったように 普通の朝通りだったし 母はいつもよりやたら機嫌がよくて鼻歌なんか歌っていた 父も心なしか楽しそうな感じだった 正敏の家は離婚した 正敏は母親の実家に行くこ…

星のような

「そう、姉さんは何やかや悩んでいるけれど お兄さんがいるから間違いないと思うわ それよりも、結婚して子供もできたのに タケオがお金のためじゃなく、女に抱かれに行ってるって どういうことだと思う 私はそう言うこともあるんじゃないかとは思うけれど …

発達障害の母

正敏は泣きそうな顔をして、私に近寄ると 「俺んち、離婚するって・・・・ お前と姉弟になるのかな?」 「え?」 それは嫌だ 頭の悪い正敏の家はがさつそうだったし その母親は美人だが、ただそれだけって感じだった 「ならないよ うちのお父さんがあんたの…

星のような

みぃはその康太の目線に気が付いて 首を振った 「私も野放しにされていたわけじゃないのよ もちろん、お母さんはまともな教育をしなくっちゃ なんてことを考える人じゃなかったけど 私に色々教えてくれた人は お姉ちゃんに惚れていた正二さんって人 彼が私に…

発達障害の母

真っ白な焦げていないご飯を炊いて 美味しいお味噌汁を作ろう 掃除は机の仲間で綺麗にやろう 学校から帰ってきたら、洗濯物を入れて 父が帰ってくるまでに、美味しい夕ご飯を作ろう 父も料理は得意だったから、魚を捌いたりしてくれるだろう 弟は母親のほう…

星のような

「なんだか、教育方針でもめてるみたいなのよね」 みぃはちょっと面白そうに言った 康太はその微妙なニュアンスがすぐにわかった 「速水の好きにしたらいいよ」 「うん。速水とお兄さんが学校とかの集団には入れたくないって いっているんだけど、お姉さんは…

発達障害の母

小学三年の私の夢は広がった もちろん、浮気ってことが、ホテルに入るってことが どんなことかはわからなかったが、 私にとってこの出来事はものすごく楽しい知らせだった 母が出ていけば、今の家は本当に楽しい家になるだろう 家事は私がやる 小学校三年で…

星のような

みぃだって、別に普通のこととして話しているのだ そういう家なのだ それが悪いと言う意味でのそう言う家と言うのじゃない なんだか、恋愛とか性に関して世間とは違うところで生きているのだ 速見があの憎しみぬいた母に似ているからと言って それがどうだと…

発達障害の母

その子は正敏が好きだったから そんなことで私が正敏とつながることが本気でうらやましかったのだろう その話を聞いたとき、私は母に対して 「ざまあ、みろ!」 すぐにそう思った そして、父のことを爪の先ほども非難する気持ちは沸いてこなかった そしてそ…

星のような

ミキは自分から離すことではないが康太に隠す気はなかった みぃだって、それはわかっていたから 康太がみぃに 「速水は彼とどこで知り合ったの? よさそうな男じゃないか!」 そんな風に聞いたのでみぃは隠すこともないだろう 康太はミキの風俗での勤めも、…

発達障害の母

この小さな田舎の分校は村の子供たちでできていたから 大人の話はすぐに広まるし 田舎の大人たちは子供がいたって容赦なく、人の悪口 卑猥な話なんかをするのだ 子供たちもほとんど大人のような淫猥な気持ちで そんな話を学校でする ただ、浮気ってことがど…

星のような

姉のおかげで、私立の有名中学に合格した そして、お金持ちのお坊ちゃまばかりの中で 康太が肩身の狭い思いをしないようにと 何かと気を配ってくれた 授業参観の時に誰よりも若く美しい姉が来てくれているのを どれだけ晴れがましい思い出いただろうか 他の…

発達障害の母

夜中にひどい大声で声高に言い合いをしている いや、よく聞けばその声は母だけのもので その相手である、父は何もしゃべってはいない そんな大声なのに横で寝ている弟は まるで起きる気配もない 私は静かに聞き耳を立てる 「どうして、あんな女寝たりするの…

星のような

康太は姉には会ったことがなかった 姉は母と同じような人なのだろうと思っていた 中学を卒業と同時に家から消えた そう聞いていた 綺麗な子だったとか、性格がよかったとか そんなことを聞いていたが、この家の女だ どうせ、母親と一緒だ そして、いかがわし…

発達障害の母

世の中にはこんな母親はたくさんいるのだろうか こんな母親でも親は親だと、感謝しているのだろうか 世の中にはもっと、ひどい母親はたくさんいる 最近はそんな事件で死ぬ小さな子供の話はたくさん聞く それならば、やはり我慢すべきなんだろうか そんな葛藤…

星のような

誰一人として康太を見ている人間はいなかった 父は母だけを見ていたし 爺さんはみぃの世話で手一杯 学校の先生ですら康太は問題のある家庭の子供 勉強ができたって、あまりかかわらないほうがよさそうな子 そう見ていた 姉のミキが突然帰って来たあの時はま…

発達障害の母

同じ学年で歌のうまい子 顔のいい子 はきはき意見を述べて授業参観で発表する子 母の好きな子は目立つ子だ 私は大人しい体育の苦手な勉強ができるだけの子だった 運動会で目立つ子、それが母の好きな子なのだ 小学校のころ、勉強ができるのはいつも私が一番…

星のような

ひたすら、普通の家庭がうらやましかった お父さんとお母さんが勉強をしろと言うような そんな家がよかった 康太は学校の勉強が好きだった 家にゲームやテレビがなかったからかもしれない 父親が子供たちにと立派なテレビを買ってくれてはいたが だいたい、…

発達障害の母

中学の頃、学校での成績が良いことを近所の人に褒められると 母は必ず 「うちでは勉強しなさいって一言も言わないんですよ」 そう言って自慢したものだが 私はその母の誉め言葉?ですら 少しも嬉しくなかった 母に何を言われてもにこりともしないで反発する…

星のような

速見のもとに康太がやって来た 姪の結婚の時にはその晴れやかさを喜び タケオに関しても、いや、タケオだけでなく 速見のこともまったく実際の本当のことは知らされていなかったし 単純にミキの幸せな顔を見て喜んでいた 康太は一緒に住んでいた女の子とはと…

発達障害の母

まるで、何かわけのわからない生き物に 愛情をかけて、絶対に見捨てないと言う美意識 バカバカしすぎるような気がする とにかく、私はもう、二度と母のもとには帰らない そう決心して飛行機に乗ったのだ しかし、これも何度決心したことだろう まったく、自…

星のような

タケオは自分の両親が大嫌いだった 特に母嫌だ 高校受験に失敗したのは、もちろん自分のせいだ でも、母は本当に人がどう自分たちを見るか それしか考えない人だった 幸せな家庭、それが彼女のすべて でも、その幸せの定義はくだらない見栄の塊だった ちょっ…

発達障害の母

見た目も性格も父にそっくりな弟は この嫁と小学校からの付き合いで結婚した 弟は結構な偏差値の高い高校に行き 関西の有名私立大学に入った それについて回っていたのが地元ではバカ高校で有名な 私立の女学校に入り、そこから大学で関西に出た弟の後を追い…

星のような

ミキは自分たちよりも タケオの両親の心配を速水に話してみた 「ねぇ、うちはパパも大賛成だけど タケオさん所は?大丈夫なの?」 速見がうっとおしく思っているのは、そう、タケオの両親だ タケオの両親にしたら 中学を出てから数年、家出をしていて 帰って…

発達障害の母

お母さんが仕事に行ったあと 泣いて大変だったわ~ そう言われた弟の嫁は 「え?そんなことありましたっけ? そんなことはなかったと思いますけど」 そう言って、のほほ~んと笑っていた この嫁はことあるごとに息子が一番大切だみたいなことを言って すぐに…

星のような

星人 タケオと二人で考えた名前を父に話すと それは素晴らしいと喜んだ 母であるミキは、何となく、今はやりのキラキラネームっぽい そう思ったが、タケオの意向が入っているのならば それも仕方がない そうあきらめた ミキは今になっても定職を持たずにフラ…

発達障害の母

こうして、嫌なことから都合よく逃げるのは 私が母にそっくりだからではないだろうか? そう思うと、父にそっくりの弟のことを思う 正月に弟一家が母の家に帰ってきたとき 弟の嫁、基本的には毒にも薬にもならない穏やかな人だ そう、信じていたのだが その…

星のような

小さな男の子 それは、ミキにとって宝石のようだった この世界で生きるってことはまるで、辛い壁を登ってきたようだ そんな人生を送ったミキにとって そして、自分の一族の血を否定してきたミキにとって 速水の子供はまるで宝石だった それは沢村にとっても…

発達障害の母

私は子供のころ、家の中でも息をひそめて生きていた 母はまったく感情の読めない人で やたら、明るかったり、やたらヒステリックだったりした ヒステリックになったときには感情に任せて わめいて、物をもって追いかけてきた 私は何を怒られているのか意味も…