星のような

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ひたすら、普通の家庭がうらやましかった
お父さんとお母さんが勉強をしろと言うような
そんな家がよかった
康太は学校の勉強が好きだった
家にゲームやテレビがなかったからかもしれない
父親が子供たちにと立派なテレビを買ってくれてはいたが
だいたい、爺さんがお金に困って質屋で流してしまう

楽しいことなんか一つもない
近所の友達の家は皆、母が男好きでフラフラしていることを知っていたから
誰とも遊びたくなかった
読むものと言えば教科書以外ない
学校の図書室はタダで本が好きなだけ読める
その本の中に入っている時が一番の幸せだった

母親は父が生活費にと置いて行ったお金とともに
すぐに帰って来なくなる
父である爺さんもへらへらして叱りもしない