2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

速水の毎日

高校を一年で中退してから みぃのところに行って莫大な稼ぎをたたき出した そして、それは本人も楽しい仕事だったのだから 一番理想的な仕事の仕方だっただろう 職種に問題はあるが とにかく休む間もなく今まで親元を離れて働いた結果なのだ ここ数年くらい…

発達障害の母

母は賢いのだ いや、それは知能指数がどうとか知的レベルがどうとかじゃなく 自分が欲しいものは相手の思惑などお構いなしに手に入れる その、こずるい感じの能力は 家族の中で誰よりもたけていて 人の気持ちを一番に大事にして、できるだけ穏便に生きていき…

タケオという男

これで、すべてが終わった これから自分はどうするんだろう タケオのようにどうなりたいという目的なんかない なんだか何もなくなってしまった 毎日、母といる時間が長い 当然だ、学校に行っていた間の友人なんか一人もいない ハーミーであるときは、周りは…

発達障害の母

昭和30年あたりの頃のことだ 世の中は高度成長期に入るころ 東京オリンピックがあると言うので 何処の家もテレビを買うようになった頃だ 父と母が知り合ったのもこの頃で青年団の集まりで 隣同士の町でもあったから、何度か顔を合わす その頃のその小さな田…

タケオという男

立ち上がって伝票を握りしめ そして、体を翻したとき ほんの少しタケオの顔に目がいった そして、そのほんのわずかな時間のタケオの顔に チラッと笑顔が浮かんだのを認識した やはりこうするのがタケオにとって一番のことなのだと そうショックを受けながら…

発達障害の母

少々、おかしくても年老いた母を受け入れて 子供の頃のすべてを自分がなんとか世の中で生きていけるようになった 体験だったと思うことや 父も早くに病気で亡くなって幸せだとか そう、思おうと覚悟して帰って来たのだが 私には広い心もなければ、母を理解す…

タケオという男

速水は泣きそうになりました 体や速水自身の人間としての魅力ではタケオは繋ぎとめられなかった そして、お金でも繋ぎ止められない 本当はタケオが挫折して ずっと男娼でいてくれたら 心の奥底でそう思っていた自分を恥じた タケオが合格したら どんなプレゼ…

発達障害の母

母には母の価値観がある 目の前に置かれてわかりやすい価値観にすぐに飛びつく でも、それは本当のことを公にしない優しい嘘とか 相手にしっかり伝えないほうが良い遠慮、配慮 悲しくても涙を見せない深い心の苦しみ そんな複雑な心の動きなど理解しない人だ…

タケオという男

健全は恋愛は所詮、妥協と打算の積み重ねで それを隠すために不倫を追い詰める世の中になっている 父が常々話していることだが 父は母に対して常に恋をし 常に母一人を見ている気がする あれは理想だし、それなりの紆余曲折があったとは思うが できるのなら…

発達障害の母

無口になり、ただただ、酒を飲み 朝から飲むことも多くなった いつの間にか父というと酒に酔っている姿しか思い浮かばない 父がそうなったころ、母は父に心置きなく文句を大声でいい 子供たちには父のことを困ったものだと言いながらも のびのびと嬉しそうに…

タケオという男

木佐はそんなことは全部わかっていたし タケオが断ってくるのもわかっていた ただ、そのプロセスを彼女の手前踏む必要があったのだ 「ああ、ありがとう 中に入ってもらったのが伝説のハーミーだと話せば 彼女も納得するよ」 これはどこかで知っている話だ・…

発達障害の母

私は小学生のころ早く家に帰るのが嫌で そのほとんどの時間を学校の図書館にこもって 本を読んでは想像の世界に住んでいた そこで大好きだった芥川龍之介関連の本読んでいると その母が精神的におかしかった、という一文に出会った その頃の私は自分の母が人…

タケオという男

父に言わせれば、木佐のほうが本物の愛を知っている そう言いそうだが、やはりタケオの健全なところに 速水は惹かれてしまう 「その、女!」 今まで木佐に遠慮して奥さんなどと言っていたが とうとう、女ということになった 「どういうつもりなんだろう? 木…

発達障害の母

それに父はその外見とは対照的に 困っている人には手を差し伸べなければいられないほどいい人で 頼まれれば嫌とは言えないイエスマンで なおかつ、捨てられた子犬、子猫、怪我した動物たち 絶対に面倒見ずにはいられない人だった おかげでうちは私が子供のこ…

タケオという男

タケオは急に元のタケオに戻った 「そういう所なんだよな~ なんだか、合わない世界だと感じたところ そりゃあ、わかるよ 体の関係のある無しなんか、 しょせんお金でも売り買いできることなんだから そこを重要視して愛だ何だと言うと じゃ、風俗嬢や男娼に…

発達障害の母

そして、一度、もしかしたら私は娘にいじめられているのかもしれない そう思い込みだすと、忘れるまでずっと、そんな目で私を見る もちろん、普通の人よりも早く忘れるのだが その頃にはまた別なことで、私に対して懐疑的な目で見る その繰り返しの毎日に も…

タケオという男

< div>こんなに、普通の学生のように変わってしまったから そんな話をするのを嫌がるかと思えば 「木佐さんの彼女のことでしょう? 一回、呼ばれて寝たことあるんだ もちろん、僕からアピールしたわけじゃないよ 木佐さんには内緒であの奥さんが 一番かわい…

発達障害の母

もちろん、私が理由もなくご飯にしたわけではなく 前日、やむ終えない事情で、パンを用意できなかったのだが そんなことはしゃべらずとも、ちゃんと通じて 誰もがそれを加味して考えてくれる 私が家族が嫌なことをするはずがないと言う 絶対的な信頼があるか…

タケオという男

ひとしきり、成績が上がっていく自慢をして ただ、成績が上がっているだけではなく 速水に出してもらっているお金もこんなに効率的に使っている そんな話を聞きとして、ミルクティーなんかを飲みながらしゃべる 速水も目の前の中流家庭の学生そのもののタケ…

発達障害の母

こういう話はドラマや小説では必ず こんなひどい母だったけれど、最期は心が通じたとか こんなに長い半世紀以上の間苦しんだけれど やはり人というものは、それを享受して 享受したところに明るい未来がある などと書きたいのは山々なのだけど、そんな風には…

タケオという男

木佐は複雑な顔をしながらも嬉しそうに帰って行った この業界にいる以上、ハーミーの言うことを 聞かない男なんかいるわけがないと思ったようだ 速水も他の男ならば従僕のように自分の言うとおりにできるとは思ったが タケオはこれまでここにいた男とは違う…

発達障害の母

もちろん、父はDV、パワハラ、をする人ではない あの当時、九州の田舎の村だ そんな風に父親がやったとしても 誰もが当然だと思うような時代だったのに 父は母のその恐ろしいほどのくだらないがの強さに負けてしまったのだ 私もそうだ、どんなに努力しても…

タケオという男

速水にはよくわかった 一般の人の恋愛のようにそんなに単純じゃないのだ 不倫を許せない文化は、女が人間として熟成していた昔とは ほど遠い、単純でわがままな存在になったと言うことだ もちろん、男だってそうだ妻の浮気の一つや二つ 昔からあったことで、…

発達障害の母

こればっかりは、どうにも我慢が出来ない もちろん、人間として足りていないのだから仕方ない そうほとんどの場合我慢するのだが それにも限界がある そして、お金の使い方。 バカバカしいほど見栄のためにしか使わない ある程度までは父も多めに見ていたの…

タケオという男

速水はそうだっただろうか?と首をかしげる どっちかというと、実生活では男はが鳴り散らすようなSで 夜、ベッドになるといきなりMを好む そのほうが多かった気がするが しかし、木佐とその女の関係は ベッドでも普段の生活でもその女が強いってことなだけ…

発達障害の母

私は今のこの年になって、父の気持ちが初めて 手に取るように分かった 自分は娘だからまだ幸せなのかもしれない 夫であって、恋心が醒めた時の愕然とした気持ち そして、全く使えない嫁であって それだけならばまだいいと思う 母に父が失望したのは発達障害…

タケオという男

「俺は生まれた時に親が施設に預けた子供だったから 中学出たら、この世界に入るしかなかったんだ いや、もちろん、真面目にやっていけることだってできただろうけど 俺、この外見だろう 施設にいるときにもう、女たちのおもちゃだったんだよ 施設を出て、こ…

発達障害の母

もちろん、父方の親族 何よりも後妻でやって来た祖母とその娘にしたら 母に対して相当な思いがあったことだろう やってきたら思う存分いじめ倒そうってことだったかもしれない しかし、実際にやって来たのは 少し頭の足りない美人でも何でもない女 対等に相…

タケオという男

木佐はハーミーを前に恥ずかしそうにしながら 「タケオはきっと気が付いていたんだろうな 俺たちの、少しゆがんだ関係 タケオは中学を卒業してから、あの仕事に入ったんだと思うけど どうせ、高校受験に失敗して家出でもしてきたんだろう? そう言うやつ、何…

発達障害の母

うちの田舎は家がたくさんある村からは少し離れていて 小学校や公民館がある村の主な場所からは 10分くらい山に登って、父方の親族だけで住んでいる そこに祖父の隠居所、本家、そして新しくたった新婚用の家 そこに強引に嫁に来た母 母はその頃、嫁いびりさ…