タケオという男

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タケオは急に元のタケオに戻った

「そういう所なんだよな~
なんだか、合わない世界だと感じたところ
そりゃあ、わかるよ
体の関係のある無しなんか、
しょせんお金でも売り買いできることなんだから
そこを重要視して愛だ何だと言うと
じゃ、風俗嬢や男娼には本物の愛はないのかってことになるんだけど
ないんだよ!
木佐さんは愛を綺麗なものとして奉りすぎてるんだよ」

速水にはそこのところは何とも言えない
この世界に何年もいて、もちろん、本番だってやる
それを見せものにしてお金にしているのは確かだ
そして、相手の男を愛してはいない
でも、それを一人の男に決めてしまったら
速水のような人間はどうなるのだろう
本物の愛など知らないって言われるのだろうか
タケオは木佐のことを言いながら
速水のことも言っている

でも、タケオがこの世界から抜けたかったのは
あの中学時代の友人だった女の子に恋しただけじゃなかったのだ