2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

速水の子育て

子供作った以上責任は持つ お金もかけるし 教育だって受けさせる ただ、こうなってほしいとは 思わないようにしているし 今のところ一番嫌いな義母に似ていて あまり、星人のことを 真剣に考えたくないのだ タケオもそうだ 中学を出て、すぐに猥雑な世界に身…

おばさんであること

「私、傷つきに行ったようなものね子供ができないこと今時なんでもない、夫すら許してくれて入れば、誰に何を言われようと関係ないって思っていたの一番、私に子供ができることを望んでいた祖父母は二人とも死んじゃったしねでも、自分がダメだったのよどん…

速水の子育て

速水はそう星人が思っていることに対して そう思いたいならばそう思えばいいと思った 形にならないような人の気持ちは やはり、ちゃんと人に寄り添える人間でないと 理解などできない 義母のように、せっかくこの世に生まれてきて まるで人の上っ面しかわか…

おばさんであること

明美は驚いて 満里奈は頷き 美也は静かに 「大丈夫?辛かったでしょう? かわいらしい女子高生のお嬢さんがいて 最初から負けだとわかっていた彼女と 俊介さんとのその後を知って」 満里奈はわっと泣き出した 今まで我慢に我慢を重ね 50代の女として、優しい…

速水の子育て

どうだったのだろう? でも、好きだったからミキが その才能を伸ばそうと頑張ったんじゃないだろうか? 「おじさんは、うちのミキおばあちゃんの家は 本当にお金に困っている家だったんですって だから、おじさんは私立の中学受験を頑張ったのよ 少ないお金…

おばさんであること

「その俊介さんって人の奥さんに嫉妬しなかったの?」 「それが、映画の吉永小百合のような人よ 野バラのような素直そうなかわいい人 その当時から不良でどうしようもない俊介が 立ち直って、彼女と家庭を作ろうと頑張ったの それは彼女が本当に一途で優しか…

速水の子育て

「どうして、そう言うことになるの? おばあちゃんはパパは中学で公立に行ったから ダメになって、でも大学受験で頑張ったって言ってたよ だから、僕には頑張って私立の中学に それもいいところに行ってほしいっていうんだよ ママはそう思っていないの?」 …

おばさんであること

幸せな結婚だと思っていた 夫は優しい人だし、満里奈を愛してくれた ここどもが出来ないことに気が付いたのは30になったころ 病院は片っ端から行った 原因は満里奈だった 夫は気にするなと言い、これからも変わらず愛すると言った でも、人間は恋をする動物…

速水の子育て

自分の母親は公立の母親たちのように 安そうな服は着ていない しかし、塾の親たちのように ブランド物に身を固めてもいない 祖母のように星人を自慢にも想っていない だからと言って、父親にべったりでもない まるで世間の常識みたいなところから別のところ…

おばさんであること

「そうなんですね 私も日本に来てみて驚きました 外国人が本当に多いですね」 そんなふうに答えてしっかり俊介を見たが 「そうですか、ここは良い所ですから 海のほうは夏は騒がしくなりますけどね」 そう、全く初めて会うと言う感じで答えた なんて長い時が…

速水の子育て

母に褒められたことはない気がする でも、祖母に褒められるのが嬉しいかと言えば 別にうれしくはない もちろん、小さいころは嬉しかった でも、このごろは祖母に褒めてもらっても 嬉しくはない 祖母はなんだか人生が薄いのだ 褒めてもらっても価値がないと言…

おばさんであること

俊介とマスターが一人で座っている満里奈に「奥さま?かな?藤沢は初めてですか?いい所でしょう?」マスターが話しかけてくる俊介も「たまに来るならいい所だけどねどこから来たの?」目があっても全く満里奈とは気がつかなかったようだ満里奈は夫がニュー…

速水の子育て

すごく美しいのだ それは日本に帰って来てから 自分が成長してきたから気が付いた美しさ 実際にしっかりそう思っているわけではないけれど ぼんやりとそんな気がする 六年になって日本に帰ってくると 女の子が気になって仕方がない 海外の女の子にはあまり興…

おばさんであること

「バイトぐらいさせてやればいいのに ミサ、真面目で硬いからさ~ ま、ここでやるのは俺だって反対だよ あぶね~、駅前のマック当たりならいいと思うんだけどね」 「ミサちゃん、二人の娘に大学行ってほしいって言ってたよ 高校の間は勉強してほしいんだって…

速水の子育て

母親の少し、自分を嫌いそうな言い方 星人は随分前から気が付いていた 母がもしかしたら自分のことを本当は嫌いなんじゃないか? 父もそうだ、叱られる内容が意味が分からない その点、祖母はわかりやすい 肌は汚いし、口は臭い時がある だから、塾なんかに…

おばさんであること

藤沢の駅前の小さな飲み屋 調査書にはここに週三日くらい飲みに来るらしい 満里奈はそこで俊介を待った 七時頃、ふらっと背の高い五十代半ばくらいのいい男が入って来た あ・・・・もちろん、年は取っているが 変わらない体形、そして、マスターのほうを少し…

速水の子育て

「おばあちゃんがさぁ きっと引きこもりだったんじゃないかって ああいうタイプは引きこもりになりやすいからって 言ってたよ そうなの?」 速水はこの時ほど父が生きていたらと思った 父ならばどんな風に話しただろう 「そうね、そんな感じだわ」 さすがに…

おばさんであること

もちろん、それが正論だしかし、満里奈はその時の俊介から匂いとった微かな本気が今は愛おしいのだ美也がその辺りをやんわりと「見た目はそうとしか見えないけれどそこには、何か深いものがあったって思うんでしょう?だからこそ、満里奈はもう一度会いたい…

速水の子育て

速水が聞いていようがいまいが 毎日、自慢話だ 「ねえ、日本の学校ってクズだね 僕は海外から帰って来たばかりだけど 問題が簡単すぎて、みんなが50分かかるところを 僕は10分でできるよ それに、みんな貧乏くさいんだよね~ 貧乏くさいって、おばあちゃんが…

おばさんであること

「すごく優しかったし もちろん、妊娠しないようにもしてくれたの もう一度言うけど、そう言う男じゃないのによ!」 「もしかしたら、単なる浮気ではなかったのかもしれないわね でも、その彼女とは真剣な付き合いだったし 将来結婚だって約束してただろうし…

おばさんであること

「それで、それで?」 明美が面白がって催促する 「彼はその子と真剣に交際していて 私にはちょっと、手を出しただけってことだったの まぁ、浮気相手が私だったって事 彼はその彼女と結婚して、女の子二人できて 幸せな家庭を作っていたの」 「へ~それで、…

速水の子育て

速水はため息をついただけで送り出したが 星人が出ていくと 「ちょっと、速水さん 星人があんな口の利き方するなんて 注意ぐらいしなきゃだめでしょう? ホントにあなたに任せていたら ロクな子になりゃしないわ 頭がいいんだから、あなたがちゃんと育てなき…

速水の子育て

義母は喜んで、小学校が終わる時間になると お弁当を作ってやってくる 「星君の塾のお弁当よ 安心して私がついていくから 塾は新宿だけど、そこがあの塾で一番賢い子が行く教室なのよ 本当に星君はすごいわ~」 速水は凄いのは亡くなった父やその周りだった…

おばさんであること

俊介には年上の彼女がいて あの車はその彼女のものだと言う どうしようもないほどクズの俊介が その彼女が出来てから随分変わったと噂になったくらいだそうだ 「その彼女って?」 「ほら、町はずれに靴の工場があるじゃない? あそこに勤めている女の子で す…

速水の子育て

速水は星人の好きなようにさせることにした 近くの公立の小学校に入り 中学受験用の塾に入りたいと言う 速水にはそんな方面は全くわからないのだが 義母がすっ飛んできて 「まず、入塾試験を受けてみないとね サピに日能研、全部受けてみましょう 星君なら大…

おばさんであること

家に電話は絶対に無理だ 満里奈たちの若いころには携帯電話なんかなかった 祖父母が陣取っている部屋に家電は一つ 一回目のベルで老人は絶対出るのだ バス停で待っていて!それもその言葉通り待ってくれていたのは 4回目くらいだった 俊介にしてみれば満里奈…

速水の子育て

タケオも速水の実家は好きだった 穏やかな両親で 速水の父親のことも母親のこともすべて聞いていたから なおさら、そこに住むと言うのは賛成だった 星人のことはタケオはいつもすまなそうにしていた だいたい、中学で家出したのも 母親のせいだった 何でも人…

おばさんであること

だれもが、そう、注意してくれた 高校を出たばかりの満里奈にはわからなかった 満里奈は中学受験で女子高に六年間通って その間も祖父に固く守られていた それでも、自分では家庭教師との秘め事なんかもあったから そんなにまじめなお嬢様ではないと思ってい…

速水の子育て

タケオに相談すると タケオもどこにいようが自分の母の血はかわらない 好きにさせればいいさと言う 速水は父の家が好きだった 母もこの家が好きで丹精こめて住んでいた 父はお妾さんの子供で この家は祖父が祖母に会いに来るための家だったそうだ 愛の形は人…

おばさんであること

今はトラックの運転手をしていて 地元で家族四人で暮らしている 奥さんは三つ年上、子供は二人とも女の子で 高2と中3だそうだ 昔の俊介からは考えられない 満里奈の中学の同級生でも高校に行ってワルになった男子は いることはいる でも、高校に行ったとい…