2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

速水が高校を唐突に辞めて みぃのところに行ったことを思うと なんとなく、わかる気がした みぃが早い時期からやっていたこと 今ではその世界でも有名な人間であること そこにやらなければならなかった ミキの気持ち 姉と教授にすらそんな娘が生まれるのだ …

発達障害の母

雅ちゃんとそこの強欲婆さんの話は置いといて私はみっちゃんの話が聞きたかった「みっちゃん、頭、良かったし性格も良かったのにやっぱり医者の不養生?」すると、友くんは「あ〜ちゃんに会いたかったと思うよあ〜ちゃんがあの大学行く前の春休みにあいつの…

ミツホは結婚したときに 康太が初めてだった だから、なんとなく妊娠しないように 気をつけてきたつもりだった だからと言って、避妊具をつけたりしたわけではないから 確実とは言い切れないのだが 康太は母親のような女の子が生まれるのが 怖かった ミツホ…

発達障害の母

それから友くんは私が行くくらいの時間を見計らってコーヒーを飲んで待っているちょうど、その時間が農作業の休み時間でもあるらしい「ねぇ、あの星田のみっちゃんあの人死んだんだって?」すると、昨日の村の女たらしだった彼の話とは全く別人のように「あ…

「え?」 康太のその返事はただ驚いたように 聞こえたが その中に否定が混じっていたのを ミツホは聞き逃さなかった 今まで康太が子供はいらないというのを 聞いたことはなかったが 欲しいとも言わなかった それは長く子供ができなかった ミツホに対する思い…

発達障害の母

結婚の前に二、三ヶ月実家に帰っていたことがある父が相手先の格式の高さを心配してこの村から30分くらい離れたところにいるお茶の先生やお花の先生に通わせてくれた母はその時、自分の踊りの練習に夢中で私が通っていることも知らなかったし今もお茶もお花…

康太は普通でありたかった あの、小汚い爺さんと たまに帰ってくる小心者で 気が弱い、母にベタ惚れだった父 お金はないわけではないのに 爺さんの飲み代や母親の男遊びで消えて 本当にど貧困の子供時代だった それを変えてくれたのだ姉さんだ ミキが帰って…

発達障害の母

片付けは母の大好きなことだが右のものを左に置いてまた、右に置き直す買ったものを白い買い物したら入れてもらうビニール袋に入れて押し入れ深く入れておくいざ使うときにはいったいどのビニール袋に何が入っているのかさっぱりわからないそんな類のものだ…

発達障害の母

驚くような話だ「え?それで、そんなたらい回しみたいな育て方であんな爽やかな子が育ったの?」私早く母のこともあって子供達の教育には心を砕いた。そんなやり方でうまく行くのならば私の今まではなんだったのか?それで、思わずそんな言葉が出た「うん、…

それは初めて聞く話であったが ミツホも人間の本質は十分わかっていたから 「そう、それはすごいわね そんなことなら、 私早く知り合いになりたかったわ あなたの気持ちもわからなくはないけど」 そう言いながら、今まで自分が憧れて来た 沢村教授の小説の世…

発達障害の母

崖くずれはあいつの家を直撃した息子は夏季合宿に行っていたから助かったんだけどもともと、ここの人間じゃないから村はずれの山崩れが起きやすそうな安い土地を買って家を建てて住み始めたから村の人達はなんとなく危惧はしてたんだけどまぁ、よそもんだし…

「母親がどんな人間だったかは 話しただろう? みぃは結局、若いうちから 性風俗の世界に居たんだ でも結局、みぃを置いて男と消えたんだ ただ、姉さんがその世界に居たことがあるから すごいやり手の知り合いに みぃのことを託したんだ みぃだって普通の世…

「二人とも賛成したの? 速水ちゃんの夢だったの?」 アイドルに憧れるようには見えなかった 「ううん、何かあったんだと思うよ みぃが連れて行ったんだ」 ハツホはみぃのことは なんとなくしか知らなかった なんとなく聞いてはいけない人だと 悟っていたの…

発達障害の母

へ〜私がここにいない間いろんなドラマがあったんだと感心するこの空気が膿んだような村なのにそんなドラマみたいなことがあったのかそう感心していると「ドラマみたいだって思っただろう?でも、本当のドラマはここからなんだもう、数十年も前に崖崩れがあ…

康太は彼女が速水だと知っている でも、あえて今までは話さなかったのだ 今でも母のことは胸に刺さり 速水を見ていると 母を思い出す 妻であるミツホは康太の母に対する コンプレックスは知っている 「彼女は姉さんとこの娘 速水ちゃんだよ!」 ミツホは信じ…

発達障害の母

なんだか、横溝正史かなにかの小説でそんな話を読んだような気がしてこの村は八つ墓村か!とツッコミを入れたいところを我慢して「それで、あの子が彼の子供ってどう言うこと?私の知っている限り彼に農協の勤めるような立派な子供ができるなんて考えられな…

速水はあれよあれよと言う間に 売れ始め、みぃの手腕で莫大なお金が 入ってくるようになった その派手やかに そして、妖艶なビジュアルは あの高校の頃の同級生が 誰も、あの、速水とは絶対にわからないほどの 美しさだった 沢村とミキですら ネットから流れ…

発達障害の母

30数年前がパッと蘇って来てなんて馬鹿な娘だと自分に腹がったったが友くんにして見れば懐かしい思い出で「俺さぁ、よっぽどあ〜ちゃんに注意してやろうと思ってたんだぞま、あ〜ちゃんは村の人間が考えてたより数倍頭が良かったからなあ〜ちゃんがいない高…

発達障害の母

「あの頃、村中で心配してたんだこの村から初めて大学に行く子なのにあんな奴に捕まってどうなるんだろうってあいつの女グセの悪さは有名だったんだけどあいつの叔父さんが博多あたりから来てヤクザみたいな奴だったから誰も何も言えなかったんだこう言うこ…

みぃの言葉に二人とも納得した 常識が速水を縛ることは よくわかっていた 「お願いするよ 僕たちはさみしいけれど 速水が幸せなら、そっちが正解だ ただ、僕たちの名前が出たほうが 速水の幸せなるのならば なんの躊躇もなく公表していいからね」 東大の教授…

発達障害の母

友くんとひとしきり思い出話に花を咲かせているとさっきから農協の若い子達が引き上げて言った最後に残った、さっきの若い男の子がお会計をしながら「おじさん、今月は菜の花が最盛期で大変だろう?でも、おじさん地の菜の花は特によく売れるから頑張ってな…

二人とも速水から話は聞いていた 「ねぇ、あの子が派手な世界で やっていけるのかしら?」 ミキはどちらかと言うと大人しいほうで 洋服や化粧にも興味がない 地味な速水がアイドルなんて どう想像しても考えられなかった 「やっていかなくてもいいのよ! 私…

発達障害の母

そこに新しい客が入って来た農協の若者たちに声をかけると農作業用のつなぎの格好でカウンターに座るあっと私が気がついた時に向こうから「あ〜ちゃん、母ちゃんの世話に帰ってるんだってな!このくらいの時間にはここによくコーヒーを飲みに来てるって聞い…

その日から速水は直ぐにデビューの 準備にかかった みぃの戦略もあって 素人っぽいところ 歌がまだまだ下手なところも うまい具合にネットで流した それも、一番エロいサイトに 服を着せたまま出した エロサイトの達人たちは 画面上であっても スマホの向こ…

発達障害の母

私は春休みの2週間あまりでその男の子に徹底的に弄ばれたそれからは東京での生活しか知らず田舎に帰ることもなかったからただただ、苦い思い出としか言えないが今、数人の農協の若い職員だというその中の男の子の一人があまりにもその、彼に似ているでも、彼…

みぃはウィンクしながら 「大丈夫!速水はお金にもなるわ」 速水はそう言われて悪い気はしなかった お金になる方が嬉しい 何もない日々で、そして、素晴らしい両親 ストレスをかけられることもない 毎日が理想だなんて嘘だ 私で稼げるものなら ガンガン稼い…

読むなと言われたことなんか 一度もなかったけれど 文学なんか興味ないって 思っていたのだ テレビの恋愛ドラマや漫画の方が 自分の好みに合っていた 「読んだことなんてない方が 先生の小説の中の少女よ」 修也が嬉しそうに言う アニメおたくが二次元そのも…

発達障害の母

その、男の子は中学の卒業式が終わった頃村の塗装屋に遠い親戚だと都会からやって来たらしいその頃には私は親戚の下宿先に行っていたから、それから三年間の彼の行状は全く知らなかった「君、この村の人なの?」そう言って近づいて来た全く男子など見向きも…

「あの、それに、 お父さんやお母さんがなんて言うか」 するとみぃは思い切り笑い出した 「速水!あんた自分の親のこと なんにも知らないね 多分、二人は私より無鉄砲だし 私より破天荒だよ お父さんは特に文学にさえなれば それが犯罪だとしても容認しかね…

発達障害の母

合格はしたが身の丈にあった高校ではなかった多くは県内から集まった優秀な家柄の良い子供達で特に遠くから来ている子はお金の余裕もある子たちが多くひたすら勉強についていく三年間だったそれでも、なんとか同じ学年の中でも恥ずかしくはない程度の大学に…