「え?」

康太のその返事はただ驚いたように
聞こえたが
その中に否定が混じっていたのを
ミツホは聞き逃さなかった

今まで康太が子供はいらないというのを
聞いたことはなかったが
欲しいとも言わなかった
それは長く子供ができなかった
ミツホに対する思いやりだと思っても見たが
やはり、それは違っていた

「産んじゃだめかしら?」

康太はそんなことを言えるわけがない
そう思いながら
普通に笑顔で

「いや~よかった、楽しみだよね
体を大切にしなきゃな」

そう言って嬉しそうな態度をとった
康太は心から喜んでいるふりをしながら

どうしてだろう?
いや、絶対に生まれないとは言えないが
生まれないようなセックスをしてきたはずだ