2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

嫉妬

優美はこの祖母以外は誰も怖くない きょうは祐介をすぐにでも結婚する相手として 紹介するのだが 大丈夫だろうか? ものすごく緊張した 前の彼は先祖代々なんて価値がついていて 何よりもそんなことが好きな祖母は 祐介について、どう思うのだろう? でも、…

誘惑の花

「美奈子さん、幸せそうですね~」 この喫茶店『小峰』で働いているのは 40になる独り身の店長 彼はこの辺りの出身ではなく、どこか違う県の人間らしい 背が低く見た目もパッとしないが 仕事のやり方も融通が利かなくて 京子は彼に何の興味も持たなかった も…

嫉妬

「おばあ様に会ってくれる?」 優美は結婚してしまえば、こんな嫉妬の思いに悩まされることはない そう思って、祐介にそう聞いた 祐介はもちろん、それがどういう意味なのかは分かっている 「もちろん!でも、おばあ様、僕のことどうおもうかな」 優美もそこ…

誘惑の花

すると、遅番で入って来た店長が 「俊哉、久しぶりだな~出張?」 「うん。おやっさんが大阪に仕事の手伝いに行くことになって 俺もついて来いって、言われてさ!」 「この人、腕だけはいいからね!」 後ろの女がそんなこと嬉しそうに言う 店長が 「美奈子ち…

嫉妬

口に出したら恥ずかしいとわかっていても 祐介に聞かずにいられない 「毎朝、みぃさんにも美味しいコーヒーを入れてたの?」 祐介はそんな優美の気持ちには気が付かずに 「みぃさんは紅茶派 ものすごく凝っていて、茶葉はインドあたりに 自分の農園を持って…

誘惑の花

初めて目が合ったときに 京子のほうが、すぐさま何か気持ちを送った それは意図したものではなく そうせずにはいられないような彼の風貌と持っている雰囲気 そんな物に打たれた 俊哉はお!っというような顔をした それから、後ろを振り向くと 「新しい人、入…

嫉妬

イライラが高じて 「料理もみぃさんに教えてもらったの?」 祐介は驚いたように 「え?みぃさん、料理なんかまったくできないんだよ そこがいいとこなんだけどね」 「いいとこって? いい年をしてるのに、料理もできないなんてバカみたい」 ちなみに優美は完…

誘惑の花

京子はもともと頑張り屋さんで 素直な方で、田舎にいるときは 真面目で、誰からも尊敬されるような人間だった それが、東京の大学に行き、それから就職して あんなことになって、世の中、まっすぐではやってられない 仕事に一生懸命になれば 誰かを裏切るこ…

嫉妬

優美は祐介が自分の物になって これから、結婚にむけて何の障害もなく 幸せな日々が続き、そして、この恋愛は自分が勝ったのだ 相手っていうのは不足だらけのおばさんだったけれど それなのに、何だろうこの気持ち 祐介が結婚していた時にはまったくわかなか…

誘惑の花

京子はここでの評判がすごくよく お客さんに褒められることはすごく多かった だから、嬉しい この仕事をしっかりやっていこう そんなことはつゆほども思わなかった 京子は東京でライターをやっていた 仕事はもともと、子供の時からやりたいことだったし その…

嫉妬

「ちょっと、今夜はおっさん達 あ、若いほうがいい?とにかく仲間を集めてあげるから 良い人、見つけなよ~」 そう言いながら、早速、ラインで仲間を呼んでいる 「あ、でも、すぐに、今晩相手してくれるかな~」 みぃは大笑いしながら 「もう、若くもないん…

誘惑の花

つまらない仕事 そう思いながらコーヒーを運んだ ああ、この人は一か月に一度だけこの店に寄る人だ 京子は人の顔はすぐに覚える 「私が入ってから、三度目ですね 福岡あたりからの出張ですか?」 そつなく声をかける 「よく覚えてるね うん、毎月検査に立ち…

嫉妬

「でもさ~私、あんまりわかんないんだよね~ だって、嫉妬する間もなく 他の男に行っちゃうからね 恋愛の極意はただ一つ 考えちゃダメだよ だって、考えたりするもんじゃないから 別の男を見つけて帰りなよ! 他の女を好きになった男をどんなに追いかけても…

逃亡

ショウは信じられないくらい、あっさり死んでしまった 結局、母親がショウを探し当て 私と住んでいることを探り出し うまいことやっている我が子に 婆さんからすぐに金を引き出すよう言ったらしい ショウが渋っていると、母親の男が 手っ取り早く、脅して盗…

嫉妬

この調子で、全く変わらないまま 今も同じだ みぃはとにかく、恥も外聞もなく 嫉妬に駆られて離婚して、日本から逃げてきたことを話す 「みぃちゃん、変わらないな~ 正二さんとのこと思い出すわ~ でも、いいじゃん!イケメンの男のだったんでしょ 私イケメ…

逃亡

ぎゃ~~! ものすごい声は、 「あ!ショウ!」 私は何も考えずに飛び出した さっきの男の言葉がよみがえる 私がと玄関のほうに飛び出していくと ボウっと立っている女 「この糞坊主が!なんだよ!糞女!話が違うじゃねえか! 何処に金持ちのババァがいるん…

嫉妬

小屋に来た時の経緯はみんな知っていたのだが 本人があまりにあっけらかんとしていて 何も気にしていない 捨てた親のことを反対に 「可哀そうだよね~ パパは明治から続いた会社の若社長 ママも皇族の遠い親戚のお嬢様 お兄ちゃんたちもエリート中のエリート…

逃亡

ショウ? いや、男と女の二人組だ 私は、あ、やばい! 何が何やらわからないが、鍵を持っている この部屋の鍵はショウと私しか持っていない こっそりベッドから出ると、スマホを持って 部屋の隅に隠れた 「外からじゃわかんねえな~金持ちじゃん このテーブ…

嫉妬

もう、かなりな年のはずだが まさに30代の美貌 みぃが驚いていると 「整形だよ~ 私、幾つだと思ってるの こんなきれいなはずないじゃん!」 豊満な体つきに、その派手な外観 みぃが知っている限り、30のころからまったく変わらない あの頃から、あっけらか…

逃亡

何日か一緒に暮らしてみると ああ、お金がないのか?と気が付いた 食費、その他、十分すぎるほど渡しておいたはずだが 何かに使ったのだろうか? 別に何に使っても構いやしない 彼が普通の高校生らしく過ごせるのならば 無駄なお金なんかにはならない 「ショ…

嫉妬

みぃはその足で、飛行場に行き そのままヨーロッパ、ショウがいつも滞在する ローマのアパートに行った 日本から遠のくことで 何とか自分が壊れなくて、綺麗なままで別れられたことに 自分のまっすぐな方の心に感謝した どうせ、待っているのが別れならば せ…

逃亡

私は東京の住所を巴さんに渡すと 「はい、この話はこれでおしまい 二人に幸せになってほしいのよ! 巴さんもね!東京に出てきて困ったことがあったら 訪ねて来て頂戴」 私はそう言って、ちょうど来たタクシーに乗った もっと、早くこうしてあげればよかった …

嫉妬

みぃは自分の中から嫉妬を消すことだけに一生懸命で 祐介の目を見ることもできなかった 祐介はみぃのすべてを知っている そして、こういう時に絶対に嫉妬したりしないで 自分の不倫をさせたくないと思ってくれる そんな、世にもまれな立派な人間だと思った …

逃亡

「あの、いいんですか? 私と旦那さんには、本当に何もなかったんですよ」 「大丈夫!わかってる! 巴さんが気にすることじゃないのよ あの二人、かずさんと旦那の幸せのためよ」 「え?あの二人も何もないですよ 私、あそこでは、ずっとかずさんと同じ部屋…

嫉妬

みぃは祐介に不倫をさせたくなかった 「ねえ、祐介君、私、別れたいんだけど」 二人で夕食の後のコーヒーを飲んでいる時に みぃは切り出した 祐介は明日、優美とランチする予定になっていた そして、今はそれが楽しみで仕方なく 優美とのことが不倫であると…

逃亡

「ねえ、今まで自分の思い通りに 生きたことなんかなかったんだろう? こう、巴ちゃんは幸せになるんだし これからは自分のために生きるんだよ」 そう言ってやると、心に響いたらしい 「ああ、それもそうだね 巴が幸せになるんだったら 余計な口出しはしない…

嫉妬

ああ、姉を好きなら仕方がない そう、思っていたことを懐かしく思い出す それならば優美のことを頭に思い浮かべるときに 彼女は私よりも数段若く 美しく、仕事もでき、そして祐介を好きになっている だから、わたh氏は気持ちよく離婚してあげなければ 何よ…

逃亡

シズカは 「はぁ?」 意味が解らないように旦那を見た 「結婚って?巴、あんた! この爺さんと駆け落ちしたんじゃないのかい! だいたい、離婚は?何時したんだい?」 巴さんはうんざりしたように 「駆け落ちなんかしてないわ! 多分、シカオさんのお母さん…

嫉妬

祐介は優美のラインを心待ちにするようになる 優美にしてみれば、初めて ドキドキしながら送るラインだった 今までの彼氏とも、こんなにときめいたことはなかった だから、いっちょに食事でもと言うまでに二か月はかかった そして、祐介は待ってましたとばか…

逃亡

そこでかずさんとこに転がり込んだんだけど」 そこまで話すとかずさんが 「私はとても嬉しくてね 一人暮らしもつまらないし 巴さんの力になれればと思ったのよ でも、新田の奥さんには気の毒な気もしたんだけど ボンが『うちのは頭の回転が速くて、何でも合…