誘惑の花

初めて目が合ったときに

京子のほうが、すぐさま何か気持ちを送った

それは意図したものではなく

そうせずにはいられないような彼の風貌と持っている雰囲気

そんな物に打たれた

俊哉はお!っというような顔をした

それから、後ろを振り向くと

 

「新しい人、入ったみたいだ!知ってた?」

 

後ろから入って来たのは

京子がここで働いて、何度か見たことがある女の子だった

彼女は一人で来ると、カウンターに座る

ここの店長とよく話をする

前に少しここでバイトしたことがあるらしい

とてもかわいらしい人だ

背が低めで、少し小太り

店長を笑いながらたしなめている様子は

しっかり者で明るい爽やかなかわいいイメージで

少し生真面目な臭いがした

田舎のことで喫茶店なんかで働くのは

高校を卒業していないか、少し不良時見たところのある

彼女は学級委員にでもなりそうな感じに見えた女の子のイメージが強いのだが