嫉妬
みぃは祐介に不倫をさせたくなかった
「ねえ、祐介君、私、別れたいんだけど」
二人で夕食の後のコーヒーを飲んでいる時に
みぃは切り出した
祐介は明日、優美とランチする予定になっていた
そして、今はそれが楽しみで仕方なく
優美とのことが不倫であると言う認識すらなかった
もちろん、みぃには言えない話だとも思ってはいたが
あの美しい優美と話が出来
彼女の瞳は自分を本当にいとおしいと言う目で見る
そんなランチを楽しむことが
みぃを裏切ることだと認識もしていなかった
「え?」
「うん。すごく楽しかったけど
一緒に年を取るってわけにもいかないでしょう?
私は、もっと、人生の色んなことを楽しみたいし
それならばフリーのほうがありがたいから」
祐介は全く考えてもいなかった
おかしなことではあるが
優美との恋にときめきながらも
みぃと結婚していることなんか考えもしなかった