嫉妬
口に出したら恥ずかしいとわかっていても
祐介に聞かずにいられない
「毎朝、みぃさんにも美味しいコーヒーを入れてたの?」
祐介はそんな優美の気持ちには気が付かずに
「みぃさんは紅茶派
ものすごく凝っていて、茶葉はインドあたりに
自分の農園を持っていたはずだよ
僕は紅茶には全く興味がないから知らなかったけどね」
中卒、いや、学校などほとんど行ってないはずの
生まれの卑しいみぃと言う女が紅茶?
そんな高尚な趣味?
優美はとにかく、嫉妬からみぃを貶めたかった
「それに淹れ方にはうるさくて
絶対に自分でしか淹れないんだ
朝、普通に飲むための紅茶のポットなんか
200万くらいするらしかったよ」
成金趣味ね~と言いたかったけれど
祖母も紅茶好きで
コーヒーを飲む優美に、『紅茶の味がわからないなんて
お嬢様には程遠いわね!』と言ってたのを思い出した