2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

みぃの誤算

ミキはやんわりと 「いいじゃない、本人は いい子そうなんだから 調べられたら、ウチなんか 困ってしまうことだらけでしょう? 私たちはそれでもいいんだけれど ショウ君は戸惑うと思うわ」 みぃは笑いながら 「この私がそんなことでミスを犯すと思う?私た…

発達障害の母

祖母の姉は運動神経が良くそして、性格も良く誰もが兄弟姉妹の間では一番出来がいいと話していたらしい昔のことだ、他の子供のことなど考えることもなく大人たちは子供たちを比較してその子を褒めたことだろうそして、そのことに一番敏感だったのが祖母らし…

みぃの誤算

「はい。まぁ・・・・」 その歯切れの悪い言い方に みぃは気になった もちろん、理子の家に対しては 探偵にかなり事細かに調べさせたが そんな記録はなかった ただ、2人姉妹としかなかった気がする 姉のことをつい言ってしまって 困ったような理子に 「そう…

発達障害の母

母方の祖母はそんな戦争のためにだけ、もしくは祖母の父の欲望のためにまるで工場のように作られた子供の中でちょうど真ん中に生まれた当時はもちろん、男の子を誰もが圧倒的に望んでいた祖母の兄弟は一番上が男の子であとは全て女の子祖母は4番目で、その後…

みぃの誤算

理子は自分を飾ることなく 「はい。郊外の小さな家ですけど 家を買ったものですから、母は仕事を辞められず もちろん、その頃の母は女が家にいるって言うのに ちょっと、反発もしていたらしいんですけどね だから、私は小学校のころからいつだって 姉と二人…

発達障害の母

日本は戦争のために子供を産めよ増やせよの時代だ その同じ時代に父方の家では 子供は三人しか生まなかった 父方は代々医者を多く出す家で、その頃の時代でも しっかり世の中の流れを見る目が合った しかし、ド田舎の村長である僕の曽祖父は お国のため、村…

みぃの誤算

「私はお魚が好きで 鯛のポワレが一番好きよ 理子ちゃんは?」 「ああ、私はあまりよくわからないんです こういうお食事初めてで ショウさんのお母様には感謝しています 家に帰ったら、もっとお料理のお勉強します」 すると、みぃが少し皮肉気味に 自分は台…

発達障害の母

九州の真ん中 深い山の奥の村 村自体はこの辺りの村の中では決して小さいほうではない この村の村長の家は古い大きな立派な木が門のそばにあり その近くには古い蔵もあった 昭和10年の頃でも、ずいぶん古い家だったのだが その家の広さ、庭にある池、茅葺の…

みぃの誤算

速水にはこの子のようになってほしかった気がする 高校の頃ならば、成績は中くらい きゃぁきゃぁとふざけあえる友人がたくさんいて 洋服もそこそこでいいから、親子二人で買い物に行き 好きな男の子の話でも聞いて、二人で笑いあう そんな娘を理想としていた…

発達障害の母

確かにそうかもしれない 光代さんには当然待つでしょう!と言われるが もし僕が今の年齢で 発達障害で心だけは純粋だけど 風俗の片隅で育ったような女の子に会ったら 待つだろうか? 『世の中の人は、なんでもすぐに いいことと、悪いことに決めつけたがるが…

みぃの誤算

ごく普通の女の子 家庭もたぶん、普通で金銭的に裕福でもないが かといって、娘を私立の四年生の大学には 最低やりたいと思う家庭で 東京では腐るほどある家の娘だろう みぃにすごく気を使い ショウとの仲の良さを話 運ばれてきた料理に驚き喜んでいる 今ま…

発達障害の母

「大きなお屋敷で、子供たちが楽しそうに お母さんの手作りのケーキを食べてたよ 僕はあの時、なんでその家に行っていたのか忘れたけれど 食べさせてはもらえなかったんだ そういうのが食べられる子供が君で それを作っていた母親が彼女だなんて 僕は幸せ過…

みぃの誤算

閑静な住宅地の中の一軒家 予約もできない、一日一組だけという 超高級ランチにみぃは理子を誘った みぃはミキを連れて行く 理子は本当にお金持ちしか入ることが出来ない ネットにも載らないし、噂されることもない そんなショウの母親とのランチに気合を入…

発達障害の母

「美味しいもの、たくさん食べたかい?」 「はい。 美味しいものっていうか、母は市販のお菓子よりも 自分で手作りのお菓子とか 修二さんみたいに丁寧に野菜や肉を作っている農家から ネットで買って取り寄せてくれていたので 本当に体にいいものだけ、選ん…

みぃの誤算

速水たちが海外に行ってから タケオの母親とは一度も会っていない ほっと一安心だ 海外で星人がどんな風に成長するんだろう 環境を変えてもタケオの母似はどうにもならない 確率のほうが高いだろうけれど 少しは環境の力に希望を持ちたい 「その子,理子って…

発達障害の母

いつまでおねしょしてたとか よけいなことを知っている友人がたくさんいます」 僕は恥ずかしいエピソードとして話しているのだが 修二さんは 「友達か~ 幼馴染って言うんだっけ? 子供時代に子供の友人がいるって楽しいな」 子供時代に同じ子供の友達が修二…

みぃの誤算

みぃのずっと愛しているショウの父親 正二は姉のミキのことしか心になかった みぃの面倒を見てくれて、みぃに経営のすべてを 伝授してくれたのも、姉を安心させるためだった 人はだれも 風俗の小屋で生まれて、そこで育ち まともな勉強もしたことのないウジ…

発達障害の母

それは僕も楽しみだったけれど 修二さんも楽しみなようだった 部屋に入っていくと、清潔に整えられた中に いつだって、僕用の座布団がきちっと置かれていた 始めて行った時にはなかったものだから すぐに買ってくれたのだろう そして、家の近くで作ったお茶…

みぃの誤算

ミキは笑いながら 「まだ、結婚するって決まったわけじゃないんでしょう? 私思うんだけど、そう言う人のほうがうまくいくわよ 恋とか愛だとかで結婚すると 冷めた時に何かとね・・・・ でも、そう言うタイプの場合お金がたっぷりあれば ショウ君を大事にし…

発達障害の母

母がブログの中で何度も書いていた 祖母の発達障害が問題なんじゃなくて 心の問題だと言う意味が分かった 発達障害だから祖母を嫌いなんじゃなかったのだろう 修二さんは話はあまりうまくないし 生き方も不器用そうだけど 本当に丁寧に誠実に生きている 僕は…

みぃの誤算

「一緒に食事したんだけど もう、ショウと結婚する気満々 『お母様~』なんて声で 私にべたべたするのよ それを嬉しそうに見てるショウ! 探偵さんにかなり深く調べてもらったんだけど 母親とカフェでの会話が 『今付き合ってる人すごおいお坊ちゃまなの ス…

発達障害の母

「それなのに、修二が出てきたときには 全く消息が分からないように雲隠れしてたのよ でも、修二は頭が足りないけど そうしてほしかったみたいね その結果、あなたが現れて すごくいい子で、あの時ああして良かったって 言ってたわ~ 修二こそいい人間過ぎる…

みぃの誤算

「普通なの、何もかも! でも問題はそこじゃなくて 普通だからお金持ちのお坊ちゃまを必死で捕まえようとしている あの、輩なのよ いるじゃない、専業主婦志望で そのために大学も選んで 仕事もいい男がいるところと合コンするタイプ 大学時代にはひたすら東…

発達障害の母

「あんた、いい子ね~ あの頃、修二を捨てた女 あのひどい状態で、少し足りない修二を残していった ひどい女って思っていたけれど 本当は良い女だったのね~」 光代さんの母に対してのいい方に 少しうれしくなる 「でもさ、修二はそんな気持ち、 一度も持た…

みぃの誤算

「あら、普通っていいじゃない 私がどうしても欲しかったものだわ」 みぃは首を振る 「私だってそれはそうよ それが、お姉ちゃん、私のこと怒らない?」 「え?なんで?」 「私、ショウが彼女を連れてきてすぐに 探偵事務所に彼女の周りとか 色々調べてもら…

発達障害の母

修二さんはほとんどしゃべらず ニコニコと僕の話を聞き 帰りにたくさんの野菜をくれた 横にいるだけでほっこりと優しい気持ちになる人 本当に意外だった 母のブログの中では、心の美しい人ではあるが かっきり言って生まれのよくない悲しい人で 仕事も夜の仕…

みぃの誤算

「ショウの彼女なんだけど どんな子だと思う?」 ミキはそんなことか、それは楽しいことじゃないかと 想像を巡らせて 「何?どこかのお嬢様? それとも海外の王族の娘?」 ちょっと、まぜっかえすようにからかうと 「そうでしょう?私もその心配はしてたの …

発達障害の母

そして、今日初めて会ったばかりなのに これは僕の錯覚なのかもしれないけれど 修二さんにものすごく深く愛されているような そんな気持ちになる 「兄弟は?」 「兄と姉がいます 兄はK商事のニューヨーク支店にいます 姉は司法修習生で来年には検事になると…

みぃの誤算

あの頃の環境を憎悪していたミキが あの環境全部肯定して、莫大な富を築いたみぃ 自分の半生は常識にとらわれたバカばかしいものだったが みぃや速水のようにまるで すべてを心のままに受け入れて、楽しく生きていく そんな風に生きていけない自分は 心から…

発達障害の母

「母は亡くなりました」 僕はこれだけは知らせないと そう思っていたことを口にした もしかしたら、母を恨んでいるかもしれない いや、全く忘れていて興味もないかもしれない 不安だらけだったけれど 修二さんは黙って頷いた そして、人は瞳だけでこんなに悲…