2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

みぃの誤算

ミキはお金があるという幸せを かみしめた 星人のことは口には出さないまでも タケオの母に似ていることでいい気分はしなかった 結婚することで親族間の間に悩むことは今までなかった 夫の家は夫自身が妾の子でもあったから 親戚付き合いはまったくなかった…

発達障害の母

おばあちゃんはいかにも田舎のおばあちゃんが 作った煮物とかいなり寿司とかを 庭にある南天の葉っぱとともに美しく出して 手作り感を装うが 実はしっかり課化学調味料を使った煮ものだとか アゲはいなり寿司用に売っているものだとかで作って 全部私の手作…

みぃの誤算

速水はタケオが帰ってくると その話をしてみる タケオはすぐに飛びついた 「それいいんじゃない! みぃさんが僕にヨーロッパのほうを開拓してほしいって ショウ君と一緒にやれば 言葉も大丈夫だからって話をくれたんだ でも、二人を置いていくのはちょっと、…

発達障害の母

修二さんはそれ以上何も言わなかった でも、僕のことをかわいくて仕方ない動物のような目で見る 「ここで作ってる野菜で作ったスープがあるんだけど 食べる? パンも僕が粉から作ったんだ!」 そう言いながら次から次へと食べ物を出してくれる まるで、おば…

みぃの誤算

「しつけはできても、それ以外は親には無理なのかもね タケオのママ似って言うのも皮肉な気がするけど タケオにそういう所があるのは確かだわ だって、見栄を気にするあまりに 高校受験に失敗したくらいで 家を飛び出して、大学受験にリベンジって 勉強がし…

発達障害の母

「野菜はこれ以上は作れないよ!」 僕を見ると、開口一番、そう言って 家の中に入ろうとした 「あ。違うんです。あの、僕、えっと・・・・」 口ごもってしまった。 なんて言おう。 「あ、もしかして、光代さんのラインにあった・・ へ~、今大学生なんだって…

みぃの誤算

ショウと遊んでいる星人は 無邪気で可愛い でも、明日あたり、友達を呼ぶだろう そして、このおもちゃの自慢を しなければならないとかんがえるのだ 小学校にやるのならば たしかに公立ではよくなかった 星人の頭はともかく 他の家庭と所得が違いすぎる 速水…

発達障害の母

若い! 一目見た時にそう一番に思った 母と同じくらいのはずだ 年下だったとしても、母が大学一年のころだから 三つ下が限界だろう 光代さんも同じくらいのはずだったが 厚化粧に皺が多くて、母と同い年くらいなのはよくわかった 修二さんは農業をやっている…

みぃの誤算

みぃはショウが眩しい どんなことでも真っ直ぐに考える みぃの仕事にしたって 世の中には必要なことだと心から 考えてくれている 父のこともなんの恥じらいもなしに 会ってみたかったと寂しがる そんなショウを見ている速水は 「みぃさん、ショウは理想的ね …

発達障害の母

都内から電車で国立までつくと そこからバスで30分 周りは農家ばかり バス停から歩いてまた、30分 小さな古い家、その周りは畑だらけ そこにいかにも畑をやっているという風情の 細いおじさんが家の外で鍬を洗っていた この人だろう 名刺を見てみると 肩書は…

みぃの誤算

それよりも、あんなところで育ったのに そこが大嫌いだったという康太の心 みぃはあそこは楽しかった記憶しかないのだが 康太だってお爺さんは楽しそうで お母さんは美しくてキャキャしていて お父さんは何も言わないけれど優しい人 そんな風に思ってもいい…

発達障害の母

僕は元木さんですらこんな感じになってるのを見て 修二さんもそうなのだろうかと、不安に思った 元木さんは小さな名刺を渡してくれた 「ここで野菜を作ってるのよ たまに遊びに行くと、ものすごく美味しい サラダを出してくれるの 修二の野菜は都内の有名シ…

みぃの誤算

あの路地裏の下世話で込み入った小さな家 近くの公立の小学校では 今、星人がしゃべったような言葉が飛び交い もちろん、家庭の母親ですら子供を叱るのに 『このガキ!!!!』なんて言葉が飛び交っていた場所 みぃの実家はエロい爺さんとその娘で 男漁りが…

発達障害の母

「あ、あの女!修二を捨てて逃げた女でしょう? あれって、あんたのお母さんになってたのね~ うまいこと逃げたもんだわ! で、今は幸せに奥様をやってるわけ?」 僕が死んだことを告げると 「え~、修二が聞いたらきっと落ち込むわよ!」 そのリアクション…

みぃの誤算

速水はこんな言葉に慣れていない というか いくら自分の子供でも嫌だ 速水自身は私立の上品な子供が集まる 小学校だったから 免疫は全くなくて戸惑うばかりだ タケオのほうは投げだしたように 『おふくろの言うことは ほとんど見栄の産物だし、間違っている…

発達障害の母

すると、元木さん、いや、光代さんは 急に野太い声になって 「ちょっと、修二のことなのか? こっち来いよ!なんだ?」 店の隅に呼ばれて椅子に座ると詳しく聞きたがった この人が一体どんな人なのか? 修二さんにとっていい人なのか? 色々考えたが、この見…

みぃの誤算

ショウは嬉しそうに 「ママはいつだってそう言ってくれて嬉しいよ でも、写真も何も残っていないんだよね」 そう、寂しそうに言った 正二は確か、写真どころか戸籍すらない人間だった気がする もちろん、色々な都合上、自分で取得したのか 買ったのかは知ら…

発達障害の母

すると、その中の一人 ひときわ謎の生物のようなごついオカマが 「あら!ちょっと、光代ちゃん、 こんなかわいい子どこで知り合ったの?」 光代と呼ばれた、不思議なオカマは 「やだ!どこかで私を見かけたの? こんなとこまで来てくれるなんて やっぱり、私…

みぃの誤算

星人はそれを聞いたとたん まるで優等生のよい子のように 「こんにちは!初めまして! 僕、星人です。よろしくお願いします」 そう言って、次々に開け始めました 速水はその様子を苦笑いしながら 「ごめんなさい なんだか、うちの親戚にはいないタイプになり…

発達障害の母

そのバーに入るのも 学生の僕は随分勇気がいった 今まで学生同士のコンパくらいにしか 行ったことはないし 大概安い居酒屋だった 勇気を出して入っていって見ると なんとそこはオカマバーだったのだ 「あら、可愛い僕! いらっしゃい!」 入った途端にほとん…

発達障害の母

もちろん、母のこのブログを見せるつもりはない母が女優のように演じ切った理想の妻と母僕は他の兄妹にもこのことを話すつもりはないでも、僕はこの修二さんに会いたくて仕方なくなった調べてみると、修二さんの名前はどこにも出て来てはいなかった主犯の元…

発達障害の母

僕は母の人生を助けた修二って人に会いたくなった 母は五十半ばで急に逝った、早い別れだったから この修二って人が今も元気であろうと思われる ここで、僕らの父について話しておこう 僕は父に姿も性格もよく似ていると言われるから 少し面はゆいのだが も…

みぃの誤算

すると、ちょうど学校から星人が帰って来た タケオの母親は星人くらい賢ければ 何処の私学でも入れるだろうし 速水さんにはそんなお金余裕でしょう! そう、かなりごり押ししてきたのだが 小学校に入れるのならば、もう、どこでもいいと 近くの公立に入れた…

みぃの誤算

速水は笑いながら 「そんな話をしたら、きっと、気が狂うと思うわ 星人がもう少し大人になって 本当のことを知ったら、まったくお義母さんと同じような ショックを受けそうだし」 ショウは不思議そうに 「そうなのかな? 僕は自分のお父さんのことはよく知っ…

発達障害の母

当時、あの界隈では覚せい剤が蔓延していたらしい その売買でも有名な場所で その、母が書いてあった事件がきっかけに 暴力団同士の闘争もあったし 一般市民を巻き込んだ銃撃事件もあったらしい あの時に母を修二って人が逃がさなかったら 母のその後の人生…

みぃの誤算

速水は大喜びだった トラックで持ってきたかと思うほどの お祝いの品 「みぃさん、ちょっと、持ってき過ぎだよ」 速水は長いことみぃのもとで働いていて 自分のすべてを知ってもらっているから 母親のミキよりも気軽に話す 「違う違う!これはショウだよ で…

発達障害の母

僕はほんの小さな興味から ネットでその事件を調べてみた そんな昔のことで、そんな小さな事件 いや、事件にもなっていないかもしれない ただ、何となく面白半分に検索してみた 驚いたことにその事件はしっかり残っていた いや、母の思っていたよりも いや、…

みぃの誤算

みぃとショウの親子関係は 全く良好で、問題はない ただ、お互いに忙しくて時間がない 速水の結婚も知らせるのを ただ、すっかり忘れていたのだ 速水もショウは大好きだが 海外で忙しく飛び回っている彼に 時間を割いてまで、来てもらうのは 気の毒だと思っ…

みぃの誤算

ショウは母親がなんで財産を作ったのか知っている みぃは隠したりしないし、風俗の経営は 何と言っても、永遠に需要があるのだ ショウ自身はそのことに手を染めようとはみじんも思っていないが 母がそんな仕事であることを否定してはいない 「ママ、大丈夫だ…

発達障害の母

修二と母が知り合ったのは 僕よりも年齢が下の頃だ そして、修二って人が今で言う 発達障害だったこと その人が祖母に似ていたから惹かれた そして、その人はどっぷり生活の全てが 水商売の中で育ったような人 あの母からは想像もできない 母は三人兄弟の恋…