発達障害の母

そのバーに入るのも

学生の僕は随分勇気がいった

今まで学生同士のコンパくらいにしか

行ったことはないし

大概安い居酒屋だった

勇気を出して入っていって見ると

なんとそこはオカマバーだったのだ

 

「あら、可愛い僕!

いらっしゃい!」

 

入った途端にほとんど

お化けのような化粧をした生物が

三人くらい近寄って来た

勇気を出してビールを頼み

カウンターに座ると

 

「あの、元木さんって人を

探しているんですけど」