2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

康太の深淵

最初はそれも可愛いと思えた 康太は特に子供の頃は あの、碌でもない母がそばにいて 母の男関係に心休まる日がなく 姉のミキが帰って来てからは 二人で必死に勉強で生活を打開しようと 緊張した日々だった 家庭の中でミツホがボケをかますのは なんだかほっ…

発達障害の母

広いが静かな田舎の家だ誰が来たのかなんかすぐにわかる農協の理事をやっていたという保険屋だ建物共済か何かの更新らしい「ねえ、また、ちょっとした雨漏りでも大げさに別の写真と合成してお金取ってやるから、更新してくれよ」なんとなく聞こえて来た言葉…

康太の深淵

家事を手際よく康太がやればいいのだ そう思っていたが とにかく片付かない 時間までに料理ができない それならそれで、康太が全部やってもいいと やり始めると 妙なマニュアルのような常識は持っていて 自分がやると言い張った もう、それならそれでいいと…

発達障害の母

私は嫌になって、自分の部屋....と言っても、昔の自分の部屋ではない母が好きに建て増ししたやたら立派な特上の畳が敷いてある部屋に戻ったここも、人が入ることは10年に一度くらいなのに、やたら、美しく仕上げてあるどうせ、業者に上手いこと言われて作っ…

康太の深淵

とにかく、家事をやっているらしい 康太が休みの日にも やたら、家の中をウロウロしている しかし、部屋が片付く訳ではないし それなりの料理が出て来る訳でもない ああ、家事が苦手なのか 一年くらいはそれも可愛いと思えた しかし、愛を語り合う以外 話が…

康太の深淵

とにかく、家事をやっているらしい 康太が休みの日にも やたら、家の中をウロウロしている しかし、部屋が片付く訳ではないし それなりの料理が出て来る訳でもない ああ、家事が苦手なのか 一年くらいはそれも可愛いと思えた しかし、愛を語り合う以外 話が…

発達障害の母

そんなものはまだ、微々たるもので私があげたものを人にあげていることなんか微々たるものだ無駄に家に手を入れて、多分だが電気屋や大工にいいように言われてお金をかけている頭は小学三年生でも見栄は大人並みに貼りたいのだ孫の学校が東京でも有名な私立…

康太の深淵

結婚してはっきり気がついたこと ミツホは口癖のように 「文学が、文学が!」 と喋るのだが、実際に暮らしてみると 本は読まない大学時代は試験や レポートのために読んでいたようだが 結婚すると、専業主婦になる道を選んで まず、家の中の細々とした用事を…

発達障害の母

私は東京からいろんな母の喜びそうなものをいつも送っていたのだがこうして、母の元に来てみると価値のあるものや立派なものはだいたい人にあげたという見る目がないのは知っていたはずなのに一万円の扇子を「あああれって、100円均一のでしょう?年金の会で…

康太の深淵

するとミツホの父がスッと席を立った 母親はずっと、誇らしげに 話し続けている 「幼稚園の時は公文をさせてね やれと言えばいつまでも楽しそうに やる子だったのよ 小学校のお受験も親の言うことは 完璧に聞くから楽だったわ~ とにかくやりなさいってこと…

発達障害の母

学校に私立と公立ってやつがあるのがよくわかっていないしかし、今日は一生懸命私の目を見て聞こうとする少し嬉しくなった私はハッと気がついた今日は恵子ちゃんが来るから私は家にいても朝からバッチリ化粧をしていた母はすっぴんの私がどんなに心を砕いて…

康太の深淵

結婚してしばらくは全くわからなかった まぁ、ただ単に そういうキャラクターなのだと どっちかと言えば 硬い女子の多い 東大の中では女子力が高くて 忘れ物が多く、笑い声の多い 楽しい子だと思っていた しかし、一緒に生活を始めると 不思議なことが多い …

発達障害の母

「お母さん、ポイントもう一度調べて見たらもう少しで五百円って言ってたでしょう?」そう言って追いやった恵子ちゃんはとりあえず樹奈ちゃんと学校を見に行くことにした母は最近恵子ちゃんがよく来るのを喜んで学校の相談に来てるのを知ると「ここら辺の子…

康太の深淵

その家が今は そのあたりにあるのは 枯れた草が真ん中にちょぼっと生えている 汚い鉢が散乱している 康太が気になってそこを綺麗にして 鉢も処分すると 面倒を見るわけでもないのに ミツホがやたら鉢植えを買って来る そして、嬉しそうに頷くと また、水やり…

発達障害の母

それから、恵子ちゃんが「樹奈の学校のことで相談に来たんですよ!」そう言うと母は「あら、樹奈ちゃんは恵子ちゃんに似て可愛いからすぐにお嫁の口が見つかるわよ学校なんてどこ言っても同じよ」私は自分の世間での地位をあげるための方法は学力しか持って…

康太の深淵

ミキの家から帰って来る 気持ちよく家庭的に整えられた姉の家 渡された紙袋には 美味しい姉の手作りの稲荷が入っている 家は自分が弁護士になってから 中古の小さな庭付きを買った ミキが康太に渡してくれていたお金で 十分足りた 最初に選んだ時は 庭の小さ…

発達障害の母

母がちょうど帰って来るポイントが沢山溜まって嬉しそうだ台所で買ってきたものを冷蔵庫に入れながら恵子ちゃんに「あのね、今日は安いものがたくさんで良かったのよ、牛乳なんか百六十四円だったわ」牛乳は冷蔵庫に1リットルが二本入っているどちらもまだ開…

全く何もないまま

風俗にいた時には そこから出ることだけを考え 実家に帰ってからは 風俗に行くような女の子を出さない 家庭を目指した そして、沢村との結婚生活 大学教授夫人 正二と話していた頃の夢は叶ったのだ しかし、子供が生まれて元の木阿弥! .....こんな考えは行…

発達障害の母

「う〜ん。私の子供たちも私立の小学校に行ってたんだけど学校の勉強は、また、違うのよ」「違う?」「そう、もちろん、私立の小学校からそこの附属の大学までその中にいるのならば学校の勉強がパーフェクトにできれば問題ないけれど、中学受験をして、もっ…

全く何もないまま

ミキはむせび泣きながら 「正二さん、なんのために生まれて 来たんだろう?! 家族もなく、親も誰ともわからないまま そして、最後はあの、風俗小屋から 覚せい剤を断ち切るために 命まで取られて!!!!」 みぃはそれを聞いてポツリと言った 「正二さんは…

発達障害の母

「それで、その女の子が学校に行くのに私立だから可愛いセーラーの制服を着て行き素敵な自分の部屋を持っていてベッドに一緒に寝せてもらって周りにあるあらゆるものが可愛いって思ったみたいでまぁ、動機はそんな所ですけど私立に中学からでも行きたいって…

全く何もないまま

覚せい剤を流していたヤクザに 撃たれて死んだのだ その時にそいつらは正二の財産を 根こそぎ奪うとるつもりだったようだが 正二のものは何一つなかった すべて借金の状態で 死んだのだ みぃはしばらく隠れていた まぁ、ぜったいにみぃの存在は 正二の金銭的…

発達障害の母

「 樹奈ちゃんはどうなの?本人の意思が一番大切なんだと思うようちは本人がまだ、考えられないってわかっていても一応、私立に行くメリットとかを小学校受験の前に話したけど」恵子ちゃんは驚いて「小学校受験でですかすごいですね〜樹奈は行きたいって言う…

全く何も無いまま

「どんなにお金を儲けようが どんなに、ここが有名になろうが それを切らなければ どうしようもないんだ みぃがここにやってきたのは 本当にラッキーだった 俺の全てを引き継がせて きっと、俺よりももっと、 発展させてくれるだろう? だから、俺はそっちの…

発達障害の母

「両親が悩んで子供の将来を考えてあげるなんて理想の家庭はうちにはなかったのだからこそ、私自身は幼稚園にあげるのですら子供にあったところをって一生懸命考えたんだけどねだから、恵子ちゃんの気持ちはとってもよくわかるわ」「幼稚園からですか......…

全く何もないまま

みぃはここに来てから なんとなくわかっていた 正二がミキに惚れていること 「いや、違う!」 「ほんと?お姉ちゃんのこと 好きだからじゃないの?」 正二は不思議に思った みぃは頭の回転は早い そうじゃないことくらい とっくに分かっていたと思っていた …

発達障害の母

「見た目だけではわからないんですね私はあんまり噂でしかわからないくらい御宅のお母さんは村の人たちが少しオーバーに言っていて実際話すと普通の人にしか思えないんだけど」そうだ、もう、私たち世代くらいはよっぽど母と深い付き合いをしなければそんな…

全く何もないまま

みぃはミキの妹だからという そんな気持ちなんか忘れさせるくらい 才能に溢れていた だから、正二の知っていることは 全て叩き込んだ 「これで、全てかな! みぃに全てを譲るから 好きに使えよ!」 正二がそういうと 珍しくみぃが 「ねぇ、ちょっと、聞いて…

発達障害の母

「ううん。私にはよくわかるわ私はあの母だから子育てとかじゃなく、とにかく他の人と同じようにしなきゃ言われた通りにやらなきゃそんな風に物心着くまで育てられて自分でトイレが完璧にできるようにいなると母は自分の生活が精一杯でこれは比喩じゃなくっ…

全く何もないまま

みぃを連れて来たのはミキだし その頼まれごとには全力で 対処してあげようと思ったが みぃの中には姉妹とはいえ ミキに惹かれたような雰囲気は 一つもなかった みぃはどっちかというと 正二と同じ種類の人間だった 自分の生い立ち、環境なんかには 全く興味…