全く何もないまま

みぃはここに来てから
なんとなくわかっていた
正二がミキに惚れていること

「いや、違う!」

「ほんと?お姉ちゃんのこと
好きだからじゃないの?」

正二は不思議に思った
みぃは頭の回転は早い
そうじゃないことくらい
とっくに分かっていたと思っていた
その正二の目を見て
みぃは

「あ、違うのか」

「うん。
俺がこの事業を拡大するのに
どうしても、覚せい剤ははずせなかったんだ
もう、昔からこの小屋は
そういう客も付いていてさ
どうしても、そこを切ることは
できなかったんだ」