ああ、こういうことかそう思いながらベッドから起きた体はどこかここか痛い目もシバシバするし焦点も合わない歳を取るとそうなることはいやほど聞いていたしテレビでもスマホでもそんなサプリメントのcmか健康に関するバラエティばかりだでも、それを実感し…

キナは大笑いした「頑張ってない頑張ってない！転生の才能がある感じだったよ楽しそうだったし初めてメインで仕事したから緊張してはいたけどその辺の詐欺師よりかはよほど演技派！」貞丸は褒められている気はしなかったが確かに面白かった週一、4ヶ月で400…

「キナは頑張ってる人に冷た過ぎだよ」キナはビールを飲み干して「頑張るっていいことなんかじゃないよ頑張ることがいいことみたいに言われているけれどその、頑張った人の気持ちに嫌な心が忍び込むんだよ園子ちゃんもただ、仕事を好きだから続けるっていう…

ここからは簡単だニューヨークから後400万あればすぐにいい物件が手に入るこれ以上、母さんには甘えられないそうメールする園子は疑うことなく、すぐにお金を振り込むこれで、今回の仕事は終わりだキナと貞丸は上野の汚い焼き鳥屋で祝杯をあげる「でも、少し…

「いつも、翔がお世話になってます珍しいのようちの翔が彼女を紹介したいなんて言い出すのあ、初めてかもしれないわねこのまま、もしかして結婚とか？それも楽しみだわ」もう、その子は舞い上がってしまうキナは病院が忙しいから抜けてきたそう言って、すぐ…

都内の高級ホテルのラウンジ園子は一番上等なワンピースにしたそれでも1万5千円のもので自分の中では１番の高級品だしかし、大野と母親を見て唖然とした大野はいつだって高級そうなスーツなのだが今は、もっと、仕立ての良さそうな高いスーツを着ている母親…

園子はもう、何度もデートした大野が全く手を出そうとしない事で本気の付き合いをしてくれていると思った会えば、楽しそうに話をするし帰り際には別れたくなさそうに顔をするこれはもちろん、キナの特訓のおかげだ貞丸は随分、成長したそして、今回「母さん…

園子は貞丸に夢中になり始める貞丸は奥手で実直、誠実そんな風にしか見えない調子良くないし、顔だっていい方ではない「貞丸、どう？あんまり誘われた通りに会うんじゃないよ少しは焦らせないとね」貞丸は素直ににっこり笑ってきていたラインに『今週は忙し…

園子はランチを食べながらしょぼい上司と食事しながら園子をマウントしようとしている同僚を心で笑った 貞丸はそういう時の心の動きがよくわかるそして、心の中でそっと、『だから、キナさんに狙われるんだ』そう呟いてみたりするのだそうして、『じゃ、遠慮…

「実家が病院でね母が心療内科をやってるんだ父は早くに亡くなったんだ母が無理して働くことはない仕事は病院を手伝えばいいそう言ってくれるからちょっと、迷っているんだ」園子はその言葉に飛び上がるほどチャンスだと喜んだ実家が病院仕事は十分あるじゃ…

この辺りではランチにするには高い方夜には立派な割烹料理を出す店で園子は入ったのは初めてだった貞丸と一緒に入って行った園子に先に入っていた上司と同僚が驚いた目で見たその同僚は園子と同じ大学出身だが都内が実家で上司に取り入るのがうまい同期の中…

園子は心が浮き立つのを抑えられなかったここん所、仕事には飽きていた昇進を狙って頑張っていたが最近思うに、どんなに頑張っても都内に縁故もない自分誰とでも仲良くしてネットワークを広げればいいことだがそんな金銭的余裕もないもう、頭打ちなのだから…

貞丸はキナに徹底的に話す内容を叩き込まれたそして、服も吟味された貞丸あるの場合、孫にも衣装ではないパッとしない顔立ちだがどことなく上品なのだ育てられた時の母親も父親も怪しい環境だったのだからもしかしたら、血は優れているのかもしれないキナは…

「え？ありがとうえっと、名前は？」彼女は本当に嬉しそうだったこういう人間は貞丸が東京の人っていうのも嬉しいし奢ってくれるっていうのも好物なのだ「大野、大野翔」キナがふざけてつけた名前だ嵐のメンバーの切り取りでも、園子は全く気がつかなかった…

貞丸はフラッと彼女のランチに現れた彼女は少し心待ちにしていたのだまた、横に座ると「今日はおにぎり二個だけなの？」彼女は嬉しそうに「最近忙しくっておにぎりが精一杯」「外食はしないの？」「だって、飽きちゃうし、体に悪いでしょ！」外食したいのは…

田舎では進学校出身で成績は上位層親も東京の私立の大学にあげるくらいの財産はあるが生活は慎ましやか本人も素直な真っ直ぐな頑張り屋さん田舎で役場の職員にでもなれば最高に幸せだったかもしれないでm、今は東京の中でキツく感じながら泳いでいるタイプ同…

その、言葉に彼女は反応した「仕事大変なの？」「上司がね色々、パワハラとかうるさくなって来たけどそんなに変わりゃしないんだよね結局、まぁ、僕が弱いからダメなんだろうけど」その日はそれで、何となく別れたキナに報告すると「また、一週間くらいした…

貞丸は性格は優しそうだしイケメンではないその言葉に彼女はすぐに「お昼休みじゃないんですか？この辺りの会社ですか？」そう聞いて来た貞丸はキナと何度もシュミレーションした通りに答える「まぁ、そうなんだけどえっと、君はどこなの？」少し訳ありげに…

貞丸は都内の育ちのいいおぼっちゃま今は仕事に悩んで休職中お昼のお弁当を会社近くの公園で食べている彼女にさりげなく近づけさせた「お弁当手作りなんですか美味しそうですね」お金はもったいない使うものではなく貯めるものそうすり込まれている田舎の農…

そういう人間はつけ込みやすいのだ東京にまだ、コンプレックスを持っていて努力で勝ち取ったものを大事にしているだから、悩みにも陥りやすい私は今回は心療内科の女医それっぽい格好をして大企業から出てくる人間を品定めするあ、あの手の女よし彼女に決め…

そういうふうに育てられた人間はまったく、隙がないのだそれに、私が騙し取るくらいのお金へとも思っていないそして、弁護士や探偵やそんな関係者がたくさんいるから突き止められる確率は高い私が狙うのは地方のから頭が良くて大学受験で東京に来た人間お金…

私は次のターゲットを探しに電車に乗る毎日今度は大手のサラリーマンにしようかと思っている私は子供の頃金持ちだったからその頃の友人たちがどう育っているかはよく知っている私立の学校教育友人関係ずっと続く進学塾、家庭教師、予備校大学に入っても、専…

私たちのように底辺近くの人間には常識は邪魔それに住んでる世界が世界だから犯罪を犯したってこんなもんだみんなで隠せば怖くない貞丸は何もすることがなければ絵を描いているうまくはないが味のある絵でTwitterを教えてあげると毎日楽しそうに描いていいね…

「で、でも、小高の死体は？」「大丈夫！どうせ、新見が片付けているよあいつはそのためにいるんだから」貞丸はそれでも震えていた「行くとこないんでしょしばらくここにいたらいいよ私の仕事手伝ってくれてもいいし」「仕事？手伝う？」それからずっと、二…

貞丸は怯えてキナの言うことに頷いて、ついて来たキナのアパートに連れてきた「あそこに住んでたんでしょう？私、本当の住所は教えてないの何かあっても、ここにあの店の関係者が来ることはないから、安心して」それから一週間ニュースになることもなく一体…

キナが帰ろうと店のドアに手をかけた時事務所の方ですごい音がした言ってみるとサブマネージャーの小高が倒れていたコーラがビシャビシャに溢れていたキナにはすぐにわかった小高が貞丸をいじめていたのだそこに茫然と立っている貞丸キナはすぐに小高の生死…

貞丸は人に騙されやすそうなダメなやつで貯金さえできない真面目に言われた通りに働くことはできるでも、中卒でバカなので仕事は掃除とか土方とかその当時やっていたキャバレーの黒服なんかがせいぜいだそれでも気の利く方じゃないからいつだって、行ったと…

キナは3日経っただけで顔も忘れた、300万振り込んだ若い男を少し鼻で笑った田舎で言われたことだろう真面目に頑張れば夢は叶う！そんなことちゃんちゃらおかしい絶対に違うもちろん、騙した男の中にはまた、しっかり頑張って夢を叶えた奴もいるでも、そいつ…

貞丸はそう言いながらキナの好物を渡してくれるオレンジジュースに唐揚げ棒「本当、いい加減、消えてくれないかしらね私が病んでいるんだろうけれど」貞丸は優しくキナの頭を撫でながら「母さんの記憶は俺の中では全くないから羨ましいよ」キナはオレンジジ…

貞丸が記帳に行くスマホで「入金あり！300万円」すぐに商売用のスマホを売りに行く買い取ってくれる業者は当然怖い人たちあの若い子が焦ってラインしたり電話したりするとほとんど恫喝の脅しで答えるそれでやっと、騙されたことを思い知るのだ早くに死んだ母…