刷り込み
貞丸が記帳に行く
スマホで
「入金あり!300万円」
すぐに商売用のスマホを売りに行く
買い取ってくれる業者は
当然怖い人たち
あの若い子が焦ってラインしたり
電話したりすると
ほとんど恫喝の脅しで答える
それでやっと、騙されたことを
思い知るのだ
早くに死んだ母親がどっからか
『なにやってんの!』
そう言ってあの頃のように
ヒステリックに怒る
キナはその幻影に
「なにが悪いのよ!
あの若い男だって、おばさんを騙して
お金を出してもらって
自分の店を開こうなんて
図々しいことを考えるから
これもバツよ!
第一、本当に腕があったり
運がよければ、そんなことに頼らなくても
ちゃんと希望は叶えられてるわ」
ちょうど、貞丸が帰ってきた
「またやってんの?」