全く何もないまま

ミキはむせび泣きながら

「正二さん、なんのために生まれて
来たんだろう?!
家族もなく、親も誰ともわからないまま
そして、最後はあの、風俗小屋から
覚せい剤を断ち切るために
命まで取られて!!!!」

みぃはそれを聞いてポツリと言った

「正二さんはお姉ちゃんを好きになったこと
そして、正二さんが作った事業の基盤を
私が受け継ぐこと
それが、1番の幸せだったんだよ!」

そんなことで良かったのかと
ミキは考えた
そう、それで良かったのかもしれない
全く何もない正二の人生、
そんな風に思ったけれど
じゃぁ、自分の人生はどうなんだろう?