2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

発達障害の母

その男の子の顔を見て何かがよぎったそして、馬鹿だった昔が蘇ったそれは大学に入学する前の春だった気がする高校時代、私は親戚の家に下宿していた私の中学からは電車で一本のところに学年の半分は行く高校があったのだが私はそこに今の家から通うのが嫌で…

速水は話が自分のこととは思えない アイドル?何?え?自分が? 「うちのプロダクションの社長 呼ぼうか?俺もこの子すごいと思う」 速水はその時に彼が演歌で有名な イケメン歌手だと気がついた 「そうね、彼に頼んだ方がいいわね」 そう言うとすぐに電話を…

発達障害の母

今日は珍しく若い人が多かったこの、小さな村で若い人を見ることはほとんどないこのカフェでも通りすがりのドライブの途中の若者はたまに見かけるが今日の4、5人はなんだか地元っぽい「マスター、あれってここの人?」「ああ、役場の若い職員月イチくらいに…

すると、修也は 驚いたように 「この子、確かに、昔の みぃさん以上だわ みぃさんみたいに顔が良くないぶん 伝わってくるパワーが半端ない え? どんな分野に使うの?」 「修也はどこがいいと思う?」 「エロじゃないアイドル! 山口百恵の再来かもしれない…

発達障害の母

毎日コーヒーを飲みには行くが時間は決められない母私の手がいるわけではない生活ははたから見ればほとんど普通だししっかりしているし体の健康も申し分がないでも、私が一人で外に出たり用事をしたりするのを極度に嫌がる「せっかく一緒にいるんだからなん…

「何? また、新しい子を仕入れたの?」 そう言いながら入って来たのは 速水が今まで見たこともないほど イケメンで細身でおしゃれな男だった 速水は部屋に男が入って来た途端に モードが変わる 「速水っていうの この子、私よりすごいかもしれない 修也、こ…

みぃは速水を上から下まで丁寧に見る 「ちょっと来て!」 そう言うと速水を別の部屋の 大きな化粧台の前に座らせた 「う~ん、よし、ちょっと、待ってて うちのメイク担当の修也に来てもらうから あ、同じマンションだから時間はかからない 今頃は部屋で寝て…

発達障害の母

少し意地悪な小学生のように大人なら絶対にしないような言い方をしたりする教師が少し言い間違いをしてもすぐに揚げ足をとって喜ぶように相手の間違いを遠慮会釈なく笑い、蔑みそして、その後も長いこと言うこの嫁は少しおかしいと許そうと思っても人間だか…

「ちょっと、そこに立ってみて」 そう言われてみぃの前に立つ 「あら!素敵じゃない 速水は姉さんに似てっていうか 私もそうだけど スタイルがいいわ 私よりも足も長いし そっか、今、16よね」 顔はへいぼんだし、オシャレでもないし 頭も良くないし 今まで…

発達障害の母

むかし、うちの家は周りが親戚だらけだったすぐ上に祖父母、横には叔父夫婦母にとっては姑と兄嫁がすぐ近くに住んでいることになる母はものすごくいじめられて大変だと自分の身内に愚痴を言っていた子供の私はそういうものかと別に気にもせずに過ごしていた…

「さて、速水、安心して 食事にしましょう」 お手伝いさんが買って来て セッティングしてくれたテーブルに誘った それは文京区のあの家では 考えられないほど オシャレで豪勢なものだった 「ワイン、シャンパン、あ、ダメか まだ、16だったね」 「あの、おば…

金銭的な面でも甘えてしまおう 「このまま置いていっていいのかしら? 荷物とかはすぐに送りましょうか?」 「大丈夫、私が全部買ったげる ファッション関係のネットショップもやってるし、速水ちゃんの好みもあると思うけどね 遠慮しないで言ってね」 速水…

発達障害の母

誰も変わってないんじゃなかろうか私もそうかもしれない小さな子供の頃から母親が好きだと思ったことが一度もないそれは家族みんなだった気がする母親以外は人間として言ってはいけないそんな言葉は知っていたから母に対して不満を浴びせはしなかった父はお…

みぃは速水やミキの気持ちなど 御構い無しに、あけっぴろげに言った 帰ってそのほうが話が早くもあった ここで、みぃの仕事の手伝いをする それだけでは なんの解決にもならない 問題は速水の体だ それを会ってすぐに 全部解決すると 「まぁ、お姉ちゃんもゆ…

発達障害の母

化粧をしている母を見てイライラしたが黙って化粧直しをしてあげるすると、嬉しそうだが「あ〜ちゃんの仕方だと顔がぼんやりしちゃうようだけど」そんなことを言うのでこれから出かけるわけでもないから一番派手な母のお気に入りのシャネルの真っ赤を塗って…

一人で起業して大成功を収めている ふんわりとだが、そのくらいの認識の人だ 「まぁ、速水ちゃん? 大きくなったわね~」 そう言って嬉しそうにハグして来た 速水は男子の時よりも ドキドキして、すごく嬉しかった 話はここに来る前に電話で軽くしておいた …

発達障害の母

おぞましさに背筋が凍ったそんな人間に、さっき笑われたのだいや、でも、そんなおぞましい話題からなんとなく、その星田医院の後家さんにもいい印象は持てなかった家に帰ると母親が私が買ってあげた化粧品の話をして嬉しそうにしている母は昔から化粧は大好…

もちろん、それは周りの人間の問題ではない 自分の問題なのはよくわかっている でも、未練が一つもない 自分のに少し驚いた みぃには生まれて初めて会ったのだ その、豪勢なマンションにまず、驚いた 沢村は大学教授だが 文京区の古い家だし お金に不自由し…

発達障害の母

「いじめ殺したって?」私が驚いて尋ねると「まぁ、たぶん本当のことだと思いますがねあそこの爺さんが倒れて半身不随になった時に病院に入れるのはお金がかかるからって、息子と母親が二人で面倒見るからって家にいたんですがその姑さんも意地悪な人で、看…

速水はこの家で その叔母の話が出ることが なんとなくタブーになっていた この長い年月を思った 特に康太叔父が嫌そうだった だから速水からその名前を出すことも その叔母に会いたいと言うことも 言ってはいけないことのような気がしていた でも、いよいよ…

発達障害の母

雅ちゃんが帰って行くと「助かりましたよ〜あの人、最近は愚痴を言っては酔いつぶれて、合間に僕に相槌をもとめるから知らなくていい話まで知って来ますからね田舎に、こう言う店を出すときにそういう田舎の揉め事には絶対にタッチしたくないって思っていた…

発達障害の母

帰って来ると延々と苦労話が始まった「とにかくいじめられてなぁ子供ができないってだけでこんなにいじめられなきゃならないなんて苦労したんだよ〜今まで我慢したのに50幾つになって真剣に離婚してくれなんて言われるとは思ってもいなかったわそういえば、…

「そういう体質ならば そういう体質で仕事もできるし それを利用してなにかできることなんて たくさんあるさ」 沢村はさすがに娘に 男の体が欲しくて仕方のない体質だとは 言いづらい 「ずっと、家にいるの?」 確かにずっと家にいれば 問題は起きないだろう…

発達障害の母

「星田医院だよ」小学校の頃、私がどんなに頑張っても彼には勉強では勝てなかった星田光男だ田舎には珍しく茶色の髪で色が白く、背も高かった中学までは一緒で、中学では女の子には人気でバレンタインの時にはチョコレートを山ほどもらっていた本人はそうい…

「そんなことは うちに生まれた以上問題にする 必要はないんだよ 君が自分に一番、合っている仕事を 選択するときに 高校に行くことが不必要なら 行く必要もないから」 沢村の言葉に速水は 「じゃ、行きたくない 休み時間に男子に誘われて ついて行く自分は…

発達障害の母

うなずく私に「ちょっと、トイレ!」そう言って雅ちゃんは立って行った「雅ちゃん、あんな風に言ってたけど浮気したり、遊びのうちは結婚してたほうがやりたい放題できるからさあそこの旦那たち悪いんだよ独身の素人のお姉ちゃんばっかり引っ掛けて相手を本…

「何の問題もないのよ 真面目に高校に通うとか 勉強でいい成績をとるとか 1人の男に律儀に操を立てる そんなことは、 本当はどうでもいいことなのよ そんなことを大事にする家庭が 多いかもしれないけれど うちは全然違うから安心して」 沢村が後を引き継い…

発達障害の母

私は穴があったら入りたいくらい真っ赤になる小学校中学、そして、高校は算数ができなくても入れるような高校に行った雅ちゃんを今の今まで心から軽蔑していたのだが一瞬にして私の方がドット、底辺まで落とされた気がした「ああ、ごめんなさい」「いいけど…

速水はミキの言葉に 自分のことは吹っ飛んだ 沢村が2人をソファに座らせると 「それでも、僕は母さんが好きでしょうがなくって、母さんと一緒になれるのなら 母さんのそんな過去なんか どうでもいいって思ったよ」 速水は言葉が出ない ミキはさっきの速水の…

発達障害の母

それを聞いた時の私の顔に何か表情がさっとよぎったのだろう小学校をの頃の彼女はただ、不衛生で小汚いだけの子供だった気がするし中学の時は早くからませていて髪をカールして来たり口紅をつけたり似合いもしないのに男の目だけを機にする小汚く痩せた女で…