速水はミキの言葉に
自分のことは吹っ飛んだ
沢村が2人をソファに座らせると

「それでも、僕は母さんが好きでしょうがなくって、母さんと一緒になれるのなら
母さんのそんな過去なんか
どうでもいいって思ったよ」

速水は言葉が出ない
ミキはさっきの速水の表情から
速水の苦悩にも直ぐにたどり着いた

「最初に会った時から
父さんと離れたくなかったんだけど
今までの自分のこと
家族のこと、性風俗にどっぷりと浸かった自分
とても、一緒になれるなんて
考えてもみなかったのよ」

「でも、2人はこうして一緒になって
幸せに暮らしてるんだよ
常識なんて少しも考えなくてもいいんだ」

速水は堰を切ったように泣き出した

「好きじゃないの
誰も好きじゃないのに
男の子に触られると抵抗できないの」