読むなと言われたことなんか
一度もなかったけれど
文学なんか興味ないって
思っていたのだ
テレビの恋愛ドラマや漫画の方が
自分の好みに合っていた

「読んだことなんてない方が
先生の小説の中の少女よ」

修也が嬉しそうに言う
アニメおたくが二次元そのものの
実写が現れたような喜びようだ

速水は今までに感じたことのない
やる気みたいな高揚を感じた
その顔色の変化にみぃは

「決まりだね!
心配しなくていいよ
とりあえずやらなきゃならないことは
やってもらうけどキャパオーバーなことは
絶対言わない
プロデュースはするけど
お金じゃないからね」

修也も嬉しそうに

「みぃさんのバックアップで
商売じゃないんだったら
渾身のスターを作るわよ
あ、でも、私のギャラは大丈夫よね?」