「二人とも賛成したの?
速水ちゃんの夢だったの?」

アイドルに憧れるようには見えなかった

「ううん、何かあったんだと思うよ
みぃが連れて行ったんだ」

ハツホはみぃのことは
なんとなくしか知らなかった
なんとなく聞いてはいけない人だと
悟っていたのだが
ここは聞いて見たい

「ねぇ、聞いていいのなら
みぃさんのこと教えてくれない?
私たちの結婚式にも来なかったし
どんなことを聞いても驚かないから」

康太は別に隠す気もなかったし
ミツホがそんなことで離れて行くとも
思わなかったが

ただ、口にしたくない
それだけだった

「うちの母親のことは知ってるだろう?
その母親がみぃがまだ小さいうちに
連れ出したんだ」