速水が高校を唐突に辞めて
みぃのところに行ったことを思うと
なんとなく、わかる気がした
みぃが早い時期からやっていたこと
今ではその世界でも有名な人間であること
そこにやらなければならなかった
ミキの気持ち

姉と教授にすらそんな娘が生まれるのだ
うちに生まれないって保証は一つもない
子供なんていらない
お金も名誉も地位もなにも欲しくはない
一般的な普通の家庭
それだけを渇望して生きているのだ

姉だってそうだ世間の隅でひっそりと
生きていこうとしていたのだ

いや、もちろん、
教授は偏見など一つも持たないだろう
ミツホだってそうだ
それを文学だとか言い出すに決まっている

でも、それならばそういうことを実家の両親に言えるのかって話だ