「あの、それに、
お父さんやお母さんがなんて言うか」

するとみぃは思い切り笑い出した

「速水!あんた自分の親のこと
なんにも知らないね
多分、二人は私より無鉄砲だし
私より破天荒だよ
お父さんは特に文学にさえなれば
それが犯罪だとしても容認しかねない
そんな人だし
って言うかそれで、有名でしょう
T大の沢村教授といえば!」

横で話を聞いていた修也が
メイクの準備をしながら
驚いた

「この子、沢村教授の娘なの?!
さすがね!彼に子供がいるなんて
知らなかったけれど、この雰囲気は
間違いなく彼の小説の主人公の
少女だわ」

父の小説は読んだことがない