二人とも速水から話は聞いていた

「ねぇ、あの子が派手な世界で
やっていけるのかしら?」

ミキはどちらかと言うと大人しいほうで
洋服や化粧にも興味がない
地味な速水がアイドルなんて
どう想像しても考えられなかった

「やっていかなくてもいいのよ!
私が徹底的に守るからね
本人がやりたいことだけやればいいの
速水もやる気になってるしね」

それは二人ともわかっていた
速水から来たメールが
今までの娘のものとは違っていたから

「もう走り出してるし
そこは任せて欲しいんだけど
高校でのこともあったから
これから、数年はここにも帰らせないし
お姉ちゃん達の子供だってことも
忘れて欲しいのよ」