速水の子育て

「おばあちゃんがさぁ

きっと引きこもりだったんじゃないかって

ああいうタイプは引きこもりになりやすいからって

言ってたよ

そうなの？」

速水はこの時ほど父が生きていたらと思った

父ならばどんな風に話しただろう

「そうね、そんな感じだわ」

さすがに本当のことは言えない

「でも、良かったね

パパは学歴もしっかりしてるし

本当は頭がいいんでしょう？

パパはもっと、上のお祖父ちゃんと同じ大学に行けたのに

自分の力でお金を稼いで

誰も頼らずに頑張ったって

おばあちゃんが言ってたよ」

速水はそのことも何にも言えなかった

だって、タケオの学費は速水が出したのだ

嘘しか教えない！

星人に正直に全部話しても何も通じないだろう

そう決めた

「そうね。

だから、星君もそんなに自慢しなくても

きっと、それはパパの血なんだから

自分の努力じゃないでしょう？」

日頃優しい速水の、その投げ出したようないい方は

星人にショックを与えた