速水の子育て

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義母は喜んで、小学校が終わる時間になると
お弁当を作ってやってくる

「星君の塾のお弁当よ
安心して私がついていくから
塾は新宿だけど、そこがあの塾で一番賢い子が行く教室なのよ
本当に星君はすごいわ~」

速水は凄いのは亡くなった父やその周りだったのだ
生まれた時から楽しく中学くらいまでの勉強は入れてあるのだから
できるのは当たり前だ

「僕、一人で行く!
おばあちゃんがついてくるとかっこ悪いだろう!」

いつの間にか帰っていた星人が義母の後ろではっきり言う

「でも、でも、寝、新宿は危ないから・・・・
あなた、海外から帰ったばっかりでわからないでしょうけど」

義母が縋りつくように言うと
星人は最近覚えて楽しそうに使っている日本語
もちろん、日本語はできるが
小学生が使う『糞!』とか『マジ、やばい』とか
そそんな言葉を使いたくて仕方がないのだ
速水は自分の息子がそんな言葉を口にするようになるなんて
考えてもいなかったが
そこで叱ったりする速水ではない
いや、叱ったりなんかできないのだ

「うぜえ、ばばあ!早く帰れよ!
こんなまずい弁当なんかいらねえよ!
ママ、お金頂戴!何か買って食べる!
みんなそうしてるから!」