タケオという男

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木佐は複雑な顔をしながらも嬉しそうに帰って行った
この業界にいる以上、ハーミーの言うことを
聞かない男なんかいるわけがないと思ったようだ

速水も他の男ならば従僕のように自分の言うとおりにできるとは思ったが
タケオはこれまでここにいた男とは違うのだ
それでも、木佐の言うことを伝えてみようと連絡を取った
ちょうど、お金を振り込んだばかりで
タケオは嬉しそうに出てきた

「ねぇ、速水、僕の偏差値どのくらい上がったと思う?」

その言葉でタケオはもう、夜の世界の男ではないと感じる
僕という言い方が育ちの良さを感じさせる

「さぁ、でも、勉強初めてそんなに時間はたっていないのだから
まぁ、5くらいは上がったってことかな?」

「まさか、もっとだよ!
ほら、見て!」

そう言って模試の成績表を出して見せる