タケオという男

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立ち上がって伝票を握りしめ
そして、体を翻したとき
ほんの少しタケオの顔に目がいった
そして、そのほんのわずかな時間のタケオの顔に
チラッと笑顔が浮かんだのを認識した
やはりこうするのがタケオにとって一番のことなのだと
そうショックを受けながら店を出た
もちろん、タケオは追いかけてはこなかった

終わりはあっさりしたものだ
でも、速水にとって今までで一番心がときめいた人だ
普通の同じ歳の恩あの子に話せば
高すぎる授業料を払った失恋ではあったが
それもいいかもしれないと納得したし
速水の総資産から考えたら微々たるものだ

さぁ、これから何をしよう
不思議なことにタケオを想ってから
男の体だけを欲しがる速水は消えたしまった
もう、二度とあの世界には戻らないと決心した