星のような

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小さな男の子
それは、ミキにとって宝石のようだった
この世界で生きるってことはまるで、辛い壁を登ってきたようだ
そんな人生を送ったミキにとって
そして、自分の一族の血を否定してきたミキにとって
速水の子供はまるで宝石だった

それは沢村にとってもそうだった
沢村は自分が父をつなぎとめるための道具として
母が作ったようなものだと知っていた
だからといって、そのことで母を恨んだり
父に対して思うことがあったなんてことはなかったが
生まれてしまえば、人間は面白いものだ
小さな男の子のこれからが、何よりも楽しみだ

速水は初めての出産に戸惑い、そして苦しんだが
その小さな命に何とも言えない奇跡を感じた
自分がこんな風に赤ん坊を産むようになるなんて
考えてもいなかった