星のような

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誰一人として康太を見ている人間はいなかった
父は母だけを見ていたし
爺さんはみぃの世話で手一杯
学校の先生ですら康太は問題のある家庭の子供
勉強ができたって、あまりかかわらないほうがよさそうな子
そう見ていた

姉のミキが突然帰って来たあの時はまるで天国が訪れたと思った
それまで、どんなに勉強ができようとも
誰も康太がそんな男の子であることすら興味も持ってもらえなかった

姉は康太の通知表を見ると
すぐに言ってくれた

「ねぇ、康太!中学受験をしましょう!」

康太は夢かと思った
この辺りでは中学受験なんか医者の子供だけだった