星のような

イメージ 1

タケオは自分の両親が大嫌いだった
特に母嫌だ
高校受験に失敗したのは、もちろん自分のせいだ
でも、母は本当に人がどう自分たちを見るか
それしか考えない人だった
幸せな家庭、それが彼女のすべて
でも、その幸せの定義はくだらない見栄の塊だった

ちょっとした高級住宅地に住み
息子たちは成績がよく、立派な学校に通い
夫は大企業のサラリーマン
誰かにどうみられるか、そればかりを気にする母親

そして、嫌なことに兄は実直で
家庭のことや教育は母にませて仕事一途な父にそっくりで
タケオは母にそっくりなのだ
でも、それはくだらないことだともわかっていて
いまだに、男娼を辞めないことも
母に対する全否定と反発なのかもしれない

誰もが大人になればそんな気持ちは払しょくする
母親は心の狭いつまらない女だが
まぁしょうがないと許すものだしかし、タケオは許していなかった