2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

発達障害の母

私は苦笑いしながら「う〜ん、子供だったからわからないけどそんなことがあったとは思えないくらい隣のおばさんには可愛がられたそれに、お隣限定じゃなくって誰に対してもそういう類のことをしていたわ」「でも、それって、発達障害とは違うと思うけどなぁ.…

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姉にはもちろん幸せになってほしいが 沢村とは姉が辛すぎる気がした 「沢村教授、お姉さんに会ったら きっと、すごく驚くわよ だって、小説のヒロインそっくりなんだもの あの二人が付き合ったら ビジュアル的にも理想よね~」 康太はみつほの話に頷きながら…

発達障害の母

「ちょうど、みんなでお箸をつけようってする時に隣の家のチャイムが聞こえてくると立ち上がって家族の目の前で居間の窓を開けて誰が帰って来たかとか誰が訪ねて来たかとかわざわざ見に行くのよそこまでは、まぁいや、そこまででもちょっと子供ながらに『え…

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恋に落ちて みつほとうまく行って 康太は姉の気持ちがよくわかった 姉のすがっている自分をまっすぐに立たせる そんなプライド そのことと戦いながら生きていかなければ たぶん、母のように生きてしまう そんな自分の中の血 康太は男であるから、わからない…

発達障害の母

「そういうこと、あるってことは知っているけれど母親との関係が希薄な娘って信じられないくらいうちは濃密だったかな」吉川さんのその言葉に「うらやましいって思ってたよ世の中ってそれがちゃんとした親子関係みたいに定義付けてるからねでも、うちは一緒…

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沢村の書いたその文を そのままビジュアル化したような ミキに会うのがいちばんの楽しみだった ミキは沢村の小説をこっそり何百回と 読んでいた そして、そのヒロインが もしかして自分ではないかと思うよりも そのヒロインが羨ましく そのヒロインに嫉妬し…

発達障害の母

「母とは数年に一度孫を見に東京に3日くらい来るそんな付き合いしかしてないのここに30年はそんな風にしか接したことがなかったの」「スズキが実家に帰ることは?うちなんて、まぁ、都内ってこともあるけれど結婚するまで実家暮らしで一緒に住んでいたし結婚…

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沢村の大ファンで 彼に会うためにこの大学に入った そう、言っても過言でも無い みつほは康太と付き合うようになって 何度かミキのところにも 遊びにくることが多くなった その質素で静かな生活 贅沢なものは何も無いけれど 趣味のいい部屋 優しい笑顔、美味…

発達障害の母

今まで、父が30年前に亡くなってから田舎で一人で何事もなく暮らして来たのだまさか、発達障害などでは無いそう、心の奥底で考えたいこれは、たんなる個性だそう思っていたのに吉川さんのその話を聞くと不安にもなるその顔色の重い私を見つめると「ん?何?…

.....無い

そして、そこからみつほとは 急に親密になった 母のことがコンプレックスじゃ無い相手に 出会うなんて思ってもいなかった ああ、この大学に入ってよかった 今までは司法への道のための 手段でしか無いと思っていたのに ここに入ったことで みつほのような文…

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康太はみつほのことを思っていた あの母と若い男の様子は みつほだって見ていた 母に全てのお金を渡した後に 「あれ、僕の母なんだ 昔からあれでさ、まぁ、あんな感じ!」 みつほにはあまり知られたくなかった そうは思ってみたが 仕方のないことだ 彼女から…

発達障害の母

電話のことだけで、少し不安になりすぎたのかもしれないもしかしたら長いこと住んでいた場所の違いそれが自分に母に対する違和感をもたらしているのかもしれないそんな楽観的な気持ちもしてきた「でもね、社会的には貧乏で最低な親に生まれた子供もちゃんと…

発達障害の母

なかなか難しいのはよくわかる個性をいう時に大前提に『ふつう』がどこまでできるかそして、その上下で許される範囲で個性が語られてしまうそれは自分のいる環境で決められかねない場合もある極端なことを言えば戦争や人殺しが当然な国の人間が平和な日本で…

....の無い

二人は目を合わせて 笑い出してしまった 「きっとそうだな! また、すぐにどっちかのところに くるんだろうなぁ 俺と変わんないくらい 若そうな男だったもんな どう見たって金目当てにしか見えなかった」 「だって、母さんは本気で惚れていた お父さんの気持…

発達障害の母

「ああ、そう言うことねうん、それが深刻な問題なのよ貧困に生まれてもそれなりに普通であれば高校まではいけるくらいのシステムは日本にはあるのよ日本の教育システムは色々言われているほど悲惨ではないのよ本人が周りを見回して友人と同じようになりたい…

....の無い

話はただただ金の無心だった 黙って聞いているだけの 康太に男が 「姉さんに聞いたんだけど こいつが住んでた家を売ったお金とか 爺さんや、こいつの旦那の保険金とか あんたが全部持ってったんだって?」 康太はミキがそんなことを 言うはずもないのはよく…

発達障害の母

「何?もう、なんのストレスもなさそうなのに悩み事?」吉川さんはいつだってこうだまっすぐに人の心に敏感に入ってくる「うん、ちょっと、発達障害について教えて欲しいんだけど」「え?何?スズキの子供達ってそれじゃ無いでしょう?」さすがに、すぐに母…

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康太が顔を見せると 母は嬉しそうに 「あ~ミキにそっくりだね~ ちょっと、あんた、うちの息子! 行った通りだろう 間違いないって! 会えて良かった~」 背の高い30前後の柄の悪い 短髪の男が、康太を見て ニヤリと笑った 「ふ~ん、確かにここの大学生に…

発達障害の母

大卒の切符だけが欲しかった私と根本的に全て違い多分、在学中は彼女は私を軽蔑していたのだろうそれでも、学食で会えば話はするその程度だったがなんとなく卒業してからも数年に一度は連絡を取り合っていたそれは、すべてが私の憧れである彼女との縁を少し…

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康太がすっ飛んで来た 「姉さん、大丈夫だった?」 「何のこと?」 「何もなかったの?よかった」 本当にホッとしたようにミキを見ると その顔は怒りに歪んだ 「何が会ったの?」 ミキはすぐに母に関したことだと 悟った 「母さんね」 「男と来たよ」 大学の…

発達障害の母

彼女は学生時代からの友人だが私のコンプレックスの根源でもあるまず、見た目が美しいそれは五十代になった今も変わらない母親は会社を経営していて父親は彼女が小学校の時に病気で亡くなっている大学の研究室に残りかなりの晩婚ではあったが同じ研究者の夫…

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その日からミキは母親が 毎日、いそいそと出かける様子に 少し不安は感じていたが 男と会う以外の用事が 母にあるとは思えなかった 1週間後 「お世話になったね 彼が一緒に住もうっていうから そう、するよ」 そう言うと嬉しそうに出て行った ホッとすると同…

発達障害の母

私が東京で築いた生活の中では発達障害は子供の頃のその子供の家の財力でなんとかなっていたし周りも穏やかに見つめてその才能を伸ばし、幸せに暮らしていたしなんの問題もないようだっただいたいが専門職などに付いて普通の人よりも世間的にはかなり上の生…

.....の無い

ミキにはなんとなくわかっていた 案の定 「爺さんが死んで、父さんも死んだんだろ? ずいぶん帰ってこなかったから 放っておいたけれど その、お金どうしたの? 家も売ったんだろう? 私の取り分ってあるよね」 こんなことだろうと思った お金はすべて康太に…

発達障害の母

「何言ってるのよあそこの子供は早いうちにアメリカの大学か何か行って飛び級で数学か何かの研究してるって話だったじゃないあの子、小学校で迷惑だったわよね〜国語はできなかったけど英語はあっという間に覚えてさっさと、アメリカ行っちゃってあそこって…

.....の無い

そんな気持ちを抑えて なんとか笑顔で 「今夜はカレーにしたんだけど いいかしら?」 そう言ってカレーを出す すると、 「今日の彼って結構イケメンだし 年聞いたら、十も年下だったのよ でもお金かかりそうな匂い」 黙って話を聞きながら 母のその嗅覚は間違…

発達障害の母

あ.....もしかしてこれ.....そんなふうに考えたがいやいやと自分の考えを否定したこんなに何十年も普通の生活してきたのだ私が子供の頃だってちゃんと子育てしてきたのだそう考え他のだが、ものすごく不安になるもちろん、発達障害である有名な人間も知って…

.....の無い

できたら男と消えて欲しい そう、考えていると 激しくチャイムを鳴らす音が響いた 「早く開けなさいよ!」 イライラしたようにミキが開けると同時に 飛び込んでくると 冷蔵庫にまっすぐ行って ビールを取り出した 「本当に馬鹿にしてるわ 何よ!やり逃げって…

低い山々

それが、一本の電話でものすごい心配の種になってきたのです今までも電話で話しを度々話していたのだから母は変わっていないのだろう自分の健康の話周りの親戚や友人の話孫たちの心配そんな話が延々と続くのだがそれはよく聞く一般的な年寄りの当たり前なこ…

.....の無い

部屋を片付けながら イライラした気持ちを抑えるために いいところを探して見る 子供の自由を尊重する 母親があんなだから父が誠実だった 祖父とうまくやっていた 男にモテる ああ、でも趣味も悪いし 祖父も下世話な人だったし いいところを探していると 悪…