....の無い

二人は目を合わせて
笑い出してしまった

「きっとそうだな!
また、すぐにどっちかのところに
くるんだろうなぁ
俺と変わんないくらい
若そうな男だったもんな
どう見たって金目当てにしか見えなかった」

「だって、母さんは本気で惚れていた
お父さんの気持ちとか
気がついていなかったんだもん
あんなに男好きなのに
本物の恋愛には巡り合ってないのかもね」

まったく客観的に
母親のことを落ち着いて喋れる日が来るとは
思ってもいなかった

自分たちが幸せになるためには
この母も取り込まなければどうにもならない
そして、今は現状が幸せだと
二人とも思っていた