恋をしたとき

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小百合もそうではないだろうか?
あの立派な家柄、もちろん、康太のことは
誰かが調べたに決まっている
康太の出身地。小汚い東京の下町
祖父は医者の家柄ではあったが、本人はやくざな
人生を送っている
母はあの近所で調べれば、母の男好き
めったに家に寄りつかなかった、どうしようもない女
そんなことはすぐにわかる
父親の学歴は中卒でトラックの運転手
そして、姉は中学卒業してからは
風俗で働いていた
腕のいい探偵でなくても、すぐにわかることだ

康太自身もバツイチで少しロリコンの気がある
女子高生と長い間同棲していた
そんなことはすべて知らぬ存ぜぬで結婚したのだろう

速水は今、目の前にいる章子
もう、焚きつけることはできないが
彼女はお嬢様育ちであっても
そこの妥協はできなそうだ
ましてや初めて夜を過ごした相手だ

「あのね、彼、少しバカなんだって
東大に行ったお姉ちゃんがいるし
今、海外で働いているお兄ちゃんも
相当頭が良かったんだって」