逃亡

それでも、あんなにかわいがってくれたのだ

兄もそうだ

さいころから、一緒遊んでくれたりしたし

高校のころには友人を連れてきて

その友人がチェリーの制服に気が付くと

ちょっと自慢げだった

あの学校のお嬢様度は進学校の男の子にも

すごく人気があったのだ

まぁ、高校のころには口もきいてくれなくなったのだが

まさか、そんなに嫌っているのだろうか?

 

中学の時、自分には何も見えなかった

言われたとおりに勉強しないことが

こんな結果になるなんて・・・

あの学校の高校に上がって、付属の大学に上がっていれば・・

アナウンサーの先輩が多いことが有名で才色兼備の

お嬢様学校、離れて見れば、自分が逃した将来が

重すぎる

 

もう、どこにもあの頃はない

今は祖母と小汚い男二人と

子供を産むために毎日ごそごそ生きている

いったいどうなるのだろう?

私はチェリーがマタニティーブルーであることは

わかっていたが、それよりも問題があった