逃亡

頭が悪いのはしょうがないことだ

でも、心が腐っていて

真面目にやらないことがみんなに迷惑がかかる

ってことが初めてわかっただろう

そして、自分も幸せな毎日から見放されたことも

 

「ママは私はいらないって!

向こうのおじいちゃんやおばあちゃんに会わせられないって!

だいたい、付属の高校に上がれないって決まったころから

ママは私のこと無視してたしね」

 

私はバカだと言うだけで、お説教はしない

お説教なんかしたって時間の無駄でしかない

すると、アパートのドアを開けて

いきなりショウが入って来た

 

「良かったよ!本当に良かった!

ここで、ばあちゃんと一緒に赤ちゃん育てるんだろう?

俺、手伝うから」

 

チェリーはうんざりしたようだが、

何か言う気力もなかった

 

ショウにもお茶を淹れてやると

ショウは

 

「まずっ!」

 

そう言って吐き出した

 

「あ~あ。あんた、いい子だけど

舌はいただけないね」