逃亡

それを聞くと拓は少しうれしそうに

 

「ここが万が一ばれるとしたら

チェリーの両親のところからだな

チェリー、あの頃、ファンレターとか

俺が組に持たされていたスマホのラインに

会いたい!とか言ってきただろう?

あいつらに、あれを調べられたらチェリーに

行きつくかもしれないけどな

まぁ、あいつらも暇じゃないからそれはないとは思うけどな」

 

私が何か言う前に

ショウが

 

「チェリーの親もすごいんだな」

 

自分の生い立ち、拓の親のこと

それから考えたらチェリーは幸せだと思っていたのだろうが

実際は自分たちと似たようなものだと感じたのだろう

 

「まあそれがないことを祈って、ここでしっかり生活を

落ち着かせよう」

 

私はそう言って、とにかくチェリーの赤ん坊が

無事に生まれないことには動けないと思った