恋をしたとき

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しばらく、ごたごたとして、やっとすべてが落ち着いたころ
章子がたこ焼きを食べにやって来た
かなり落ち込んではいたが、すっきりした顔をしている

「あれから、ママね、速水おばさんのところに行くのを
嫌って思わなくなったみたい
だって、あの時に車を出して私を助けに来てくれたでしょう
ものすごい運転技術だったって!
それに、すぐにラインしてくれなかったらどうなっていたかわからないし
パパの言うことは間違っていなかったけれど
それを、やんわりと『恋ってそう言うものだから』って
言ってくれた時、さすがのパパもちょっと、躊躇していたしね
今日は一緒に来たいって言ってたんだけど
向こうのおばあちゃまの具合が悪くて
残念がってたよ!」

「あら、いつでもいらしてって言っておいてね
私は今回のことで康太おじさんの言うことを聞いた小百合さんは
本当に偉かったと思うわ
私に娘がいて、こういうことになったら
警察は勘弁してほしいって夫にはたてついていたと思うわ」

それから二人でたこ焼きを食べて
お茶を飲んでいる時、

「でもね、わたし、彼が本当に悪い人間だとは
思えないの
もちろん、私を軽く岡本に売ったんだから
私のことを好きだとかは思ってないんだけど」