マニュアル

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飛び出して行った小百合を康太と章子は追わなかった
しかし、康太は

「まぁ、もう少し落ち着いたら
パパが迎えに行くから
気にしないで、君は勉強に頑張りなさい
雅紀君とのことは、大変なのはこういうことではないよ
これは君たちの問題とかじゃなくて
ママの能力や性格の問題だ」

小百合は物事の本質を、こうしてしっかり
冷徹に話す父親は初めて見た
自分もこんな風に生きていきたい
雅紀のことは、こんな冷徹な気持ちも必要なことなんだと
もう一度、決心を固めた

そして、人間として生まれた以上
マニュアルを覚えるだけなんて悲しすぎる