嫉妬

イメージ 1

小夜は呆れながらも
側で二人を見て見ると
確かに祐介の立ち姿、そして、その顔
優実がものにしたいと思うのも仕方がないかもしれない

優実がものすごく家柄だの学歴だのを大事にするのはわかっている
優実の家は代々、慶応大学が創立された時からの慶応出身
両親が海外にいることが多く、優実は祖母の側で育っている
その祖母が優実が小さな時から、名誉や地位や学歴がすべてだと
友人も選びに選んでいるのだ
小夜の家は代々医者の家柄で、祖母のお眼鏡にはかなっているのだが
祖母の心の中には『医者ごとき!』そんな気持ちがあるのには
十分気が付いていた

そんな風に育てられた優実が、この祐介にふらっと来たのは
仕方がないかもしれない

優実が振られたのは同じ慶応出身の同級生だった男だが
小夜の知り合いの女医に乗り換えられたのだ

「医者なんて、小夜の前だけど、もう、うんざり
それに、大した奴でもなかったし・・・」

そんな負け惜しみを言っていたが
優実の初めての男だったし
祖母にも紹介していたし
優実はひどく傷ついたはずだ