日記

嫉妬

祐介と一緒に暮らしてみて 祐介の好きなことをたくさん知って来た 朝はミルクのたくさん入ったカフェオレが好きで それも砂糖多め 卵が好きでウィンナーが好き クリームたっぷりのケーキ、シュークリーム とにかく味覚は子供 世間が美味しいというものが好き…

嫉妬

康太やミキの気持ちが初めてわかった 康太の嫁の小百合さん 兄は前の結婚も、たしか、回りからケチを付けられるような そんな家の人ではなかったし 小百合さんなんか、もし優実みたいなタイプが ケチをつけたがったとしても 家柄としては、何の問題もないだ…

嫉妬

優実はその男を見返したいと言う気持ちもあっただろう その日に名刺交換した みぃはこの優美って女の子は 祐介にものすごいメール攻撃をしているんじゃなかろうか? でも、祐介はそんな話は全くしない ああ、そんな疑いをかけることこそ 嫉妬しているようで…

嫉妬

小夜は呆れながらも 側で二人を見て見ると 確かに祐介の立ち姿、そして、その顔 優実がものにしたいと思うのも仕方がないかもしれない 優実がものすごく家柄だの学歴だのを大事にするのはわかっている 優実の家は代々、慶応大学が創立された時からの慶応出身…

嫉妬

優実は小夜の腕を取ると まっすぐにみぃと祐介ののところに来た みぃはその時に、すぐに気が付いた この二人の女、祐介を狙っている 特に髪の長いほう 髪が長い優実は おばさんにはこんなに美しいまっすぐな髪は 無理だろうと言うように 髪の毛を手で捌くと …

嫉妬

そんな中で、その話を聞いていた優実 祐介の顔やスタイルに目を奪われ その学歴に目がくらみ そんな素敵な人がなぜ、あの結婚相手? みぃがどんなに素敵だと言ったって、おばさんには違いない 社長って言ったって、今、優実が勤めている大企業ではない 優実…

嫉妬

結婚する前にバカほど考えたことだった 年下のイケメン、どこにでも転がっている話 みぃはその覚悟はできていた ここ数年はよかった 祐介は本気でみぃに恋していたから 二人はどんなに離れていようが 何日、連絡が途切れようが 祐介のほうが慌てて、飛んでき…

嫉妬

「雅紀君はきっと、掃除に関して 一生懸命になれる子なのね 章子ちゃんは将来、雅紀君を養うって 頑張って勉強してるけれど もしかしたら、そんなこと必要ないかもしれないのね」 「ああ、今でも高卒、あ、中卒か そんなの関係ないくらいいい給料もらってる…

嫉妬

いつでも幸せそうなみぃ ちょっと、様子が変だな 康太おじさんが別居を始めた経緯はわかっていた あれは仕方がないことだと思う 小百合さんには小百合さんの理想の子育てがあり 康太おじさんや章子の気持ちは理解できないだろう 雅紀君とのことは 将来、章子…

マニュアル

飛び出して行った小百合を康太と章子は追わなかった しかし、康太は 「まぁ、もう少し落ち着いたら パパが迎えに行くから 気にしないで、君は勉強に頑張りなさい 雅紀君とのことは、大変なのはこういうことではないよ これは君たちの問題とかじゃなくて ママ…

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章子は小学校高学年ぐらいから 小百合に対して何となく 物事の神髄を見ようとしない 一番大事なことが何かが もしかしたら言葉では言うが本当には わかっていないんじゃないだろうか でも、母だから、そして、父にも遠慮して そんなことは口には出さなかった…

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みぃが会社を大きくした手段 雅紀君はそのみぃが感心するほど 仕事に熱心なこと これからはその掃除に対する情熱に スタッフを付け、広げていこうとしていること そんな話をした 小百合は開いた口がふさがらない ほんとうにそんな顔のままずっと固まってしま…

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章子は何も言えない 何も言えないが雅紀と別れる気は全くない 雅紀は集団生活はやっていけないほど 純粋なのだ 彼の気持ちが美しいこと そう言う人と一緒になりなさい それは小百合が章子に教えたことじゃないか? 何を言ってもどうにもならないだろうと 黙…

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「そう」 「パパとも話したんだけど、ママには 何も教えないでおこうって 心配して、自分が考えていることが一番だとしか 考えることが出来ないんだもん」 速水は小百合がそう娘に言われるのも仕方がないと思った そして、そのほうが小百合にとって幸せだと…

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速水は自分の幸せを思った ミキが母親であったからこそ 今の人生がある みぃがいたからこそ、タケオにも会えたのだ 雅紀もみぃの会社でうまくやってほしい そして、章子が教員になって 雅紀を養えばいいのだ ところがみぃが遊びに来た時に 意外なことを聞い…

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速水もそうだった タケオと結婚してからも 自分は他の男を追い求めるのだろうか そう不安に思っていたが 子育ては大変だし、タケオは優しいし 今では全くそんな気にはならない 章子を送り出しながら 可愛そうな・・・・ いや、違う せっかく人間に生まれてき…

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タケオの客だったこと タケオの仕事を男娼だったこと でも二人は結婚して星人が生まれたこと そんな、今の章子が一番聞きたい話を全部した しばらくして 「速水さん、色々教えてくれてありがとう 私のパパの家系って面白いのね お祖父ちゃんは東大教授だった…

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章子は唇をかみしめた 誰にも言えないこと 実は章子はピルを飲んでいる 雅紀が大好きだけれど 章子は今、すぐに子どもを産むとか 結婚をするとかは考えられない どんなにセックスがそんなことと直結していると話しても 純粋で素直に何事も受け取る彼なのに …

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章子はショックを受けているようだった 速水は笑いながら 「それがわかったのが中学の時だから 私のお母さん、おばさんになるかな それまで、私を章子ちゃんみたいに育てていたのよ でも、私はその頃、クラスの男の子だれとでも 付き合っちゃうような子に育…

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速水は少し迷った しかし、康太叔父の子供だ そして章子は康太によく似ている 雅紀を選んでこれから一緒に生きていきたいと思っている 17歳の女の子に対しては誠実に話してあげたい 章子のように生まれてから、すべてにお金をかけてもらって 母のミキがどん…

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速水は章子の悩みを聞きながら 「小百合さん。幸せね! 私は星人にどう思われているのかしら もしかしたら、何も思われてないかもね 私の存在なんか忘れてるかもね」 そんな風に言うのを聞きながら 章子はため息をつく 「小百合さん、本当に幸せな人生を歩い…

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でも、私のまっすぐちゃんとしたとこは 全部、母が教えてくれたくせに・・・・だ 横断歩道は手をあげてわたる 友達には優しくする 嘘はつかない 人を色眼鏡で見ない みんな平等! そう教えたくせに、嘘をつかせ そして、雅紀のことを色眼鏡で見ている 母親な…

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そして、そんなマニュアルから外れると どうしていいのかわからないことがあると ただただ、おろおろしている 「雅紀君とは、まあ、あんな事件で知り合ったんだし みぃさんに迷惑をかけるのもなんだから ちゃんと考えるのよ」 子供の彼氏の悪口なんか言って…

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早く別れてほしいのに みぃのところで働くなんて よけい別れるわけにはいかなくなるじゃない それから、ハッとする もしかして夫はそれを知っていたんじゃないか? いや、夫こそが妹の会社を勧めたんじゃないのだろうか? どうしてこんな大事なことを 夫も娘…

マニュアル

本当にマニュアル通りの人だ 勉強なんかで計算はよくできるが 文章題が今一つの友人が小学校のころにいたが そんな感じ 方程式とかに当てはめられない問題には 四苦八苦するタイプ そして章子は父親である康太が 母には何も話していないことも意外ではない …

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悩みは尽きないが 最近の章子は早く帰ってくる 家に帰っても、ほとんど勉強しているようだし 土日はデートだといそいそと出かけるが 毎日のように会っていた頃に比べると 少し安心だ このまま別れればいいのに! そう思っているが口には出せない 夕飯に章子…

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子供の恋愛は、特に高校生の時の恋愛なんて 暖かく見守る 大学にでも入れば、すぐに興味は他に向いたり もっと違う人に目が行ってしまうに決まっている その時のほうが、もっと、悩むかもしれないが そのうち就職やなんかがやってくるんだから しっかり、落…

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バカにされているわけではない もちろん、康太も章子も失礼がないようにと 小百合を尊重してくれているのはわかる でも、小百合にはわからない 二人が困ることがあるらしく そんな時は康太と章子は目を合わせて面白そうにしている 少し気を悪くしてみるが よ…

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章子の子育てに一生懸命なのに 章子が小学生のころから、何となく 章子に笑われている気がする 「もう、ママは! あんなこと、言っちゃダメでしょ」 「まぁまぁ、章子、ママは悪気があって言ってるんじゃないんだよ」 「わかってる!だから余計友達に悪くっ…

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小百合は康太の親戚が苦手だ 自分の実家にいれば、なんの間違いもない自分 父や母の言うとおりに、やれば間違いないと信じている 祖父も父もいつだって努力の人で 小百合は心から尊敬している 母はその父を敬愛して、主婦としての仕事を完ぺきにこなし 子育…