マニュアル

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「そう」

「パパとも話したんだけど、ママには
何も教えないでおこうって
心配して、自分が考えていることが一番だとしか
考えることが出来ないんだもん」

速水は小百合がそう娘に言われるのも仕方がないと思った
そして、そのほうが小百合にとって幸せだと思った
四角四面にしか物事を考えられない小百合にとって
章子の恋愛はきっと、理解することは不可能だろう
そして、小百合自身が戸惑い悲しむだけだ

しかし、誰もが小百合のためだと本気で考えて
このことには触れないでおこう
そう決めたのに
小百合は探偵社に頼んで章子と雅紀のことを調べさせた

章子が学校から帰ると
小百合はもう、どうしようもないほど怒っていた
その前のテーブルに置かれているのは
二人がラブホテルに入るところだった
それも、章子は制服だった

章子もそれは少しやばいとは思っていたのだが
雅紀はほとんど毎日やりたがる

「どういうことなの?
もう、雅紀君と付き合うのは辞めて!
あなたはまだ、高校生なのよ
雅紀君は社会人かもしれないけれど
彼も彼よ!
一生ビル掃除の仕事をするしかないような人
本当に言いたくなかったけれど
別れて頂戴!」